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いつも肩の上や頭の上に乗っている撫子ですが、アウェクルに乗った自分の更に肩の上だと微妙にバランスがとりづらいのを理解しているのか、初めから頭の上に乗ってくれて出発することになったのですが、前回のはじめてアウェクルに乗った時よりもバランスを撫子がとってくれているおかげか、かなり快適な乗り心地。
一時間ほどアウェクルに走って貰うのですが、一時間もだと多少疲れるんじゃ?と思っているのですが、アウェクルにとってはそんなことは無いみたいで、道中二匹共に多少ルートを外れるような動きもしながら、楽しそうにこの間と同じ遺跡まで走ってくれます。
「さて、到着っと。アウェクル達は……うん、何も指示出してないのにしっかりと遊んでくるのかな?あんまり遠くに行きすぎたりして戻れなくなると困っちゃうようなことは無いようにしてね?」
撫子同様に、アウェクル達も言葉を理解しているみたいな反応を示してくれるので、心配する必要は殆どなく、この間と一緒のクレーターの途中の入り口まで移動をして、目の前に扉がある状態になるわけですが、一応、たった一週間で筋力が付かないことは分かっていますが、それでもやってやれないことは無い可能性もあるという事で、扉に手をかけて、力を入れます。
フンッ
かなり本気で。もしかしたら腰を痛めてしまうかもしれないぐらいの力を込めてみたのですが、ピクリとも動く様子はなし。
「かなり本気でやってるんだけどなぁ……」
その行動を頭の上から下をチロチロと出しながら撫子は見ていたわけですが、しっかりと理解はしているみたいで、自分が力を入れていた場所に頭からひょいっと降りると、そのまま頭をこすり付け、間に尻尾の辺りを入れ込むような動きをすると、重さが無いのかと見まがう程簡単に扉がすーっと開きます。
「流石……っていうよりは、かなり軽そうに開けた?」
すりすり
肯定する動きをしてくれるのですが、本当に抵抗なく開けているようにしか見えなかったので、半分だけ開いている扉の間に体を滑り込ませて、足と背中で扉を蹴るような感じの動きでもって開けられないかとやってみたのですが、コレでもピクリとも動きそうな感じは無し。
「わかった。力がない事はもう分かっているから、慰めるのは後にして?」
慰められなくてもこの空気は呆れているというか元気を出しなよ?と言われているような感じが受け取れたので、先に言ったのですがその辺りもコミコミで撫子にすりすりされる事に。
「まあ、うん。ありがとうね?で、この先にこの間の様な盾とか武器とかがあるから、それを回収して帰るわけだけど、先にここまで回収するものをとって、その後にちょっと奥まで行くよ?」
その言葉に撫子は何で?という疑問を浮かべたような感じでこちらを見てきたので、この間見つけたロボットの話をしてみるのですが、ロボット……分かる?と、思いながらも確認すると、流石に知らないから見せて欲しいという感じ。
因みにここまで現実は独り言をヘビに喋っている状態なので、人が見たら完全に不審者なわけですがこのクレーターの場所に人などいるはずもなく、さらに言えばいつも部屋でもこんな感じに話しかけているのもあって、自分の中の“いつもの”が結構普通の人のいつものソレとは違ってきていることに本人としても気がつく感じもなく。
始まってしまえば作業は単純なので、奥にある武器や防具を持って最初の扉の近くまで持っていくだけなわけですが、自分一人で一個持つ形が多分早そうという事になり、一人でずるずると武器を引きずっている間、盾をぐいぐいと凄いスピードで押していくのが撫子。
因みに自分の見つけた一個と撫子が持って来た二個の合計三個を今回は外に運び出す予定なのですが、とりあえず入り口付近に持ってくることが出来たので、一回休憩。
そして休憩が終わったら、後はアウェクルを呼んでこれを持って帰るわけですが、先にさっき撫子にも言ったように、ロボットを見たい訳で。
「さ、行こう」
すりすりと返事をした撫子を頭に乗せて、奥の方へと行くと前回同様に空気の感じが変わります。
「えーっと、確かこの辺りで埃が舞って……その後だったから……こっちかな?」
真っ暗な中なので方向感覚がズレている気もするのですが、何となくの感覚で動いていくと、今回もいきなり光がパっと照らしてくれます。
「おー、あった、あった。えーっと、コレがロボット?まあ、正式名称が何かは分からないから、なんて呼べばいいかはわからないんだけどね?」
光に照らされているロボットは奇麗な状態。
前回はビックリしてパッと見てすぐに帰ってしまいましたが、今回はレベッカさんが居ないので一応ゆっくりと確認が出来る状態でもあるので、ゆっくりじっくり確認というか色々と見たいと思うのですが、なんとなくロボット系のモノを見たことがある人ならわかると思うのですが、人間とロボットの大きさを比較するとわかるように、人の数倍から数十倍の大きさであるロボットは下から見上げることは出来ますが、そこから得られる情報というのは限りなく少ないモノで。
「乗りたい気持ちがないと言ったらウソになるけど、そもそもこのお腹じゃ登るのも無理だしなぁ」
コクピットがあるのかも分かりませんが、もしコクピットがあるとするなら胸の辺りか、頭を自分は想像するのですが、パッと見上げるだけでも見えるのは腰辺りまで。
「階段の一つでも作らないとコクピットにすらたどり着けない?」
ロボットは目の前にあるのに、何もできない時間になりそうですが何かいい閃きでもあるといいのですが……。




