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 アウェクルがやったのはリュックをぶんぶんと振り回すような動きで、正直言って誰も彼も何をしたいのか理解できない状態に。

 その結果、疑われるのはやっぱり自分で視線は一気に自分の方に。


「おいおい、本当にこりゃぁ珍しいが本当に何か変なモノ持ってきてないよな?」

「稀に、キノコや薬草に虫がつくことはあるがそれにしたってこんな行動は見たことないぞ?」


 ヒックスとウェージさんの疑いの目がこちらに向いて、助けを求めるようにレベッカさんに視線を投げても、同じような目でこちらをレベッカさんも見てきます。


「変なモノはないと思うんですけど……」


 ぶんぶんと振り回す動きは最大になり、リュックから出てくるのは大きめの薬草。


「こりゃまたデカいのが取れたな」

「コレは立派ねー」


 大きな薬草が落ちた後は小さな薬草もどんどんでてくるのですが、別に仕分けをした記憶はなく、三つ目の薬草が出て来た時点で完全におかしい事が分かります。


「キノコも一緒に入れたはずなんですけど……」

「一個も出ないって事は?」

「急いで投げさせよう」


 そう言って、ヒックスさんがアウェクルの首のあたりを撫でてやると、ぶんぶんと振り回しながらも口を開けてリュックは奇麗な放物線を描いて、近くへぽとりと落ちます。


「キノコはそれ単体じゃ大した効能もないハズだが、たまーに好むのはいた気はするが……、なんだろうな?」

「ある程度の動物やモンスターも人が近付けば普通は逃げるから、ここまでくっ付いて来るってことは凄く珍しいんだが、餌でもやったか?」


 完全に自分が何か悪い事をしたような空気で視線を集める事になってしまっているのですが、正直何も思い当ることは無く、首を小さく横に振る事しかできません。


「さてと、危ないからここからは俺達で中身をあらためるか」


 そういう事になると思っていたと言わんばかりにウェージさんが何処からか戻ってくると、その手には片手剣と盾。そしてヒックスさんに弓を渡します。


「ま、流石に構えながらとはいかないが、コレだけの状態だったら万が一も大丈夫だろ?」

「過剰防衛とは言われないと思うよー?ま、私は大丈夫だと思っているから、この通り無手でいるけどね」


 レベッカさん的には安全というか、大丈夫だと思えるなにかがあるみたいですがとりあえずそのままなりいきを見守る様子。


「さて、鬼が出るか蛇が出るか」


 何となくそんな言葉を思い出して口に出してみたのですが、聞き馴染みのない諺だったみたいで、三人の視線は再びこちらへ。


「鬼はないだろ?まあ、蛇はヘビか?まあ、ヘビなら分かるが」

「鬼ってあれじゃないか?ダンジョンで出て来るゴブリンとかいうのじゃ?」

「流石にどっちもリュックの中には入っていないと思うよ?」


 冷静になっているレベッカさんがそう言うと、何となくそりゃそうだという空気に。


「あの、何が起きるかわからないって意味で、鬼もヘビも関係ないですからね?」

「そうなのか?」

「なんかややこしいな?」


 そんな会話に笑うのはレベッカさんだけですが、リュックを今度こそひっくり返すと一気に地面に薬草が落ちます。

 まだ大きいモノもあったみたいで、大きいモノと小さいモノが幾つも落ちて、落ちて、後は何も出なくなります。


「以上?」

「いや、キノコも取った記憶はあるんですけど、無いなら……落とした記憶もないですね」

「コレ以上は……いや、何かしらの重さはあるぞ?なんだ?」


 ヒックスさんが下からリュックの中を覗くと、何かを見たのでしょう。慌ててリュックを放り投げます。


「何かいるぞ」

「デカいのか?」

「いや、そこまで大きくはないが何か居た」

「何かってなんだよ?」

「分からん。ただ、ぶらーんって」

「ぶらーん?」


 ヒックスさんも放り投げたリュックにはどうやらぶらーんとするものが居るみたいで、ってぶらーん?


 もしかしたらと思い当たるモノは今日岩の奥で見たのですが、アレはかなり大きな個体だったハズなのでアレの可能性は低いと思うのですが、一匹いたら他にもいてもおかしくない気はするわけで。


「まさか、本当にヘビ?」

「さっき言ってた冗談みたいなあれか?」

「あー、鬼が出るか蛇が出るかっているモノが分かっていたのか?」

「いえ、そうじゃないんですけど、たまたま当たった可能性がっていうか、ヘビだとしても危ないですよね?ここで倒す感じですよね?」

「まあ、普通はそうなるだろうな」

「ここいらでとりあえず一回倒す練習って意味ではいいんじゃないか?ヘビ」

「練習にはもってこいってわけじゃないが、コレだけ袋の中でぶん回して目も回っているだろうから、大丈夫だろう?」


 中にいるのが本当にヘビかも分からないのですが、何故か話が思っていたのと違う方向に。


「え?え?もしかして、ヘビを自分で退治しろって感じですか?」

「まあ、それもいい経験だろうなって。って事で、うんうん。流石に用意は早いな」


 いつの間にかレベッカさんの手にはナイフがあって、ほいっと刃を持ってナイフを渡されることに。


「ヘビだとして、口さえ開けさせなければ普通は大丈夫だけど、どうしても巻きつかれたら私達ではがすから安心してね?さ、手を突っ込んで?」


 一週回って、自分でどうにかしないといけない事になったみたいです。







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