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 もしかしたら後ろの茂みの中にいるのは前のヘビが狙っている得物である可能性もあり、そうだとすればそっちを囮に自分は走って逃げる事が出来る気がしたので意識を出来るだけ前のヘビに向けつつ、後ろの茂みから出て来る何かに期待を持って斜め前であるヘビの方に近い場所に向かってそろりと音を立てずに動いていくと、大きなガサガサとした音と同時に後ろの茂みから出て来たのは、多分……猪。


「まじか」


 何故多分と付けたのかというと、自分の知っている猪は大きい個体だとしてもせいぜい子供より大きい程度を想像するのですが、後ろの茂みから出て来た個体は明らかに自分と同じ高さがあって、後ろにも長くそして最悪な事になんとなくしか知らない知識の一つが当てはまる状態で。


「毛が逆立っている時は、怒っている……だっけ」


 巨大な猪の頭の上の毛は逆立っていて、見るからに怒っていますという感じ。

 何かしら自分の不手際で怒らせていた場合は申し訳ない気持ちもあるのでしょうけど、なにも変な事はした記憶が無いので、正直言ってとばっちりな気しかしない状態。


「あれ、クマと一緒で背中を見せて走ると追いかけてきたっけ?ヘビよりは安全……いや、ヘビも毒があるから噛まれたらまずいけど、何よりも今の位置はよくないよな……」


 正直何処へ逃げるのが正解か考えること自体が間違っているぐらいの気持ちにもなるのですが、生きること自体を諦めたつもりは無いので今できる最善を尽くすことに。

 そして今できる最善は何かと考えれば、逃げる事。

 斜め後ろに巨大猪がいて、斜め前にも大きめのヘビが居る状態で何が正しいのかは分かりませんが、無事に逃げたいのであればやれることはあまり多くはありません。


「イノシシに背中は見せちゃまずい、あまり油断しすぎればヘビも噛みついてくる可能性はある、とりあえず両方から距離を取る方向でいけば一番安全な確率は高そうだけど……、気を抜いたら終わりだろうな……」


 キョロキョロしたいわけではないのですが、右も左も見ながら動きたいのでそっと背中の向きを両方の視線が無い方向に動かして数歩下がって、更にもう一歩と下がっていくとやっと

首をキョロキョロとしなくても両方が視界に入った状態に。

 ただ、自分の後は茂みでもなければ道が続いているわけではないので、出来ればヘビの方向に行きたいのですが、あまり動ける余裕はなく、パッとこの場所を他の人が見た場合は三すくみの状態?と言えそうな感じに見えるのですが、強さ的な意味だけで言うと三すくみというよりは完全に二強と雑魚な肉が一つという感じ。


「こういう時は、初めに動いた奴がやられる……気がするけど、動かないわけにはいかないんだよなぁ……」


 なにせ攻撃手段はないわけで、少しずつ本当に少しずつヘビの後ろの方に向けて移動しているのですが、どうやらイライラしている猪には我慢という言葉は無いのでしょう。


 あまり聞き馴染みのない音を発したかと思うと、いきなり走ってこっちの方へ。


「弱い方を狙うのは鉄則ですよねぇぇ!?」


 あまり大きな声などを出さない方がいい事は分かっていますが、動けなくなるぐらいだったら大声を出してでも動けた方がいいだろうという気持ちでつい言葉が出たのですが、大きな猪が短距離とはいえいきなりこっちへ走って来るのは殆ど車に体当たりをされているのと変わりのない状態。さらに言えば車というよりもさらに大きいのもあって殆どトラックが近距離からアクセルの踏み間違いで突っ込んできたのと変わらない感じなのですが、たまたま運よくその行動を見ていたので正面から当たるのだけは避けるつもりで斜め横に。


 お肉が動く事ぐらいは理解していそうですが、全く当たらないというのは想定外だったみたいでそのまま結構な距離を突き進み、少しだけホッとしたのですが一つの脅威が去っただけで、もう一つの脅威であるヘビには逆に近づいてしまった状態になったかと思ったのですが、ヘビはヘビでスキを見逃すはずもなく。

 突き進む猪の後ろ足の辺りに向けてばねが跳ねるような要領でガブリと噛みついたみたいで、猪とヘビが一気に離れてくれることに。


「よっしゃ、今がチャンス!」


 背中を見せるのはよくないので、斜め移動の感じで視線は二匹に向けつつもヘビが居た自分が逃げたい方向に向かって出来る限りの速さで移動。

 通常であればいきなり走ったりすると脇腹が痛くなったり、息が上がったり、きつい状態になるのですが、自分的にはその状態になってでも生きたい気持ちがあるのでしょう。とりあえず二匹が視線の先にいなくなるところまで走り続けて逃げる事に成功します。

 そして、安全になったからといってここで休んでいたらまた追いかけてくる可能性はこの距離だとある事に気がついて、かなり厳しい状態ではあるモノのそのままもう少しと走り続けて、いつものベースキャンプまで何とか逃げおおせる事に成功します。

 上がった息を整える為にも少しの時間休憩を取りたかったので、水分補給をしながら今日の事を少しだけ振り返りながら、いつものメンバーに相談するか考えてみる事に。


「岩の先って、行っちゃいけないかどうか……聞いたら絶対……いや、一応確認するか」


 岩がある時とない時がある事は多分いつものメンバーなら分かるはずなので、相談する事に。とりあえず上がった息が整うまではここで休憩のつもりですが、キャンプは無くても多分、安全……ですよね?




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