表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/162

104


 念願のロボットに乗れて、椅子に座って、目の前には「起動しますか?」という所まで来て陥ったのは両手両足が全く動けない状態。

 気持ち的には起動して欲しいのですが、どうしたらいいのかもわからないままでいると何故か小さな振動を体が感じます。


「あれ?勝手にもう動き始めたとか?」


 口に出してみますが、表示は変わりなく。

 そしてこの振動になんとなく覚えがある気がしたのですが、一番近いのは電車の振動。次に近いのは車の助手席や後部座席の時が近い感じで両手も両足も動けない状態だと丁度いい感じに小さな振動で若干の眠気が。


 流石に寝るつもりはないのですが、かなりいい振動で瞼が少し重くなるのですが撫子がお腹の辺りをちょっと強めにグイっと押してくれて、そのおかげで眠気は飛ぶことに。


「ありがとう」


 お礼を言うと、すりすりといつもの返事が返ってきます。

 ほんの一瞬、下を向いて視線を上げたつもりだったのですが、何故か目の前に浮いている文字の「起動しますか?」の下に二つの選択肢。

 分かりやすく「はい」と「いいえ」の文字が浮いていて、選ぶべきは勿論「はい」なのですが、相変わらずカーソルのようなものは無いまま。


「コレどうしたらいいんだ?説明が無さ過ぎる」


 子供の頃にやっていたゲームの様に説明書を読まないと何も分からないチュートリアルが無いタイプのゲームを思い出すのですが、それでもとりあえずボタンを押して十字キーを押せば動かせたりアイテムを使えたり、感覚でなんとなくやれていた記憶が呼び起こされ、そんな記憶からちらっと思いだす事が一つありもしかしたら?と思うものが一つ。


「この画面表示の仕方って、あんまりやったこと自体は無いけどVRゲームのそれに近い感じ?」


 ヘルメットやゴーグルをかぶり、両手を一定の位置に置いたり、スティック状の機器を持ってみたりして、その状態でカーソルを合わせて動かした記憶は殆ど無いのですが、数回だけやったことがあるので何となく分かる部分はあって。


「それで言うと、今の状態だと……」


 つい数秒前の事を必死になって思い出すと、視線を下げた事を思い出します。


「視線か?」


 自分の今見ているものをカメラで確認しているような気がしたので視線を左右に振ってみますが、何の変化も無し。左右がダメなら上下?と首を動かす形で下、上と動かしてみるのですがこれでも変化は無し。


「いや、でもこれぐらいしかもうないハズだから……」


 そう思っていたのですが、不意に両手の手首より先だけが動きそうな柔らかい感触に。


「ん?」


 肘や腕は動きそうにないのですが、手首より先が動くという不思議な感じ。

 そして持つつもりはなかったのですが、どちらの掌の中にも球体があってそれを握り込む形になっていて、微妙なスライムを掴んでいる感じ。

 とりあえずそのスライムをむぎゅっと強めに握り込んでみるのですが、反応は無し。

 右手、左手とどちらも握ってみますがダメそう。


 そして両手の先が動かせるようになると、両足も少し動く感じがあってこれまた足首より先が動く程度なので足首をぐるぐるさせてみると動くことが分かりますが、だからと言って何か変化も無し。


「手首や足首の先が動くようになっても、何もなし?」


 ぺちぺち


 撫子が違うよと言うようにペチペチしてきたのですが、どう違うのかが分からないでいると、上から一枚薄いシールドのようなものが下がってきます。

 そしてそのシールドが下がりきると、そこには二重丸が。


「お?おお?これは、もしかすると?」


 二重丸はピクピクと動いているのですが、その位置は自分の視線の先。


「カーソルかな?」


 右を見て、左を見てみるとその二重丸はしっかりと視線の先に移動します。


「視線を『はい』に合わせて……右手、左手を握り込んでも反応無し、足も一応……反応なし、残っているのは瞼か?」


 瞬き程の速さだとちょっと早すぎると思うので、しっかりと「はい」に視線を合わせて目を閉じて、開けると文字がバラバラにばらけて上に崩れていきます。


「コレでオッケーかな?」


 崩れた文字はそのまま上に行くのですが、二重丸のカーソルだけは残っていて、この後何をしたらいいのか分からないままなのですが、とりあえず起動するハズで。

 音は殆ど無く、小さめの振動はあるモノのそれ以上の変化も無し。

 ここまで来ると後は何をどうしたらいいのかさっぱりわからないのですが、さっきの様に記憶にあるVRゲームのような記憶が役立つのは分かるので何か役立ちそうな記憶は無いか色々と頭を働かせてみるのですが、いい感じの閃きが無い状態。


 そのまま静かにしていると、画面にまたも文字が上から降りる形で出てきます。


「チュートリアルを起動します」


 あ、今回はかってに動いちゃうのね?と思わず突っ込みたくなるような文字ですが、現状出来る事は手首の先と足首の先が動くだけなので、有難いはなしではあるのでとりあえずそのままチュートリアルとやらを受けるとしましょう。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ