案外簡単なお仕事です。
次の依頼書を探していた俺達。
だがどれもピンとこずに唖然としていた。
ここ最近初級の依頼ばかりだったからか、三姉妹が少しずつ痺れを切らしかけていた。
「もういやああ！！いつもいつも初級の依頼ばかりで！！」
「もっとお金がもらえる仕事がしたいです！」
「私も同感だ。だが、少年の意見も聞きたい」
モルフィはなんとか冷静でいているが、特にユラがピリピリしてやがる・・・。
でも仕方ないさ。
俺達はパーティーを発足してからまだそんなに立っていないんだから・・・。
俺達はまだまだ無名のパーティー。
それだけに、危険はなるべく避けたいと思っている。
だから俺は初級の仕事を優先していた。
彼女達の負担も減らしたいと言う事もあったが、その想いも全く逆だったみたいだな・・・。
「みんなの気持ちもわかる。だが、俺の気持ちもわかってくれ！」
一年間冒険者パーティーに入っていた俺の経験からの意見としていたが・・・。
「なら、初級の依頼の中でもちょっと違う感じの仕事に挑戦してみるか？」
「違う感じの仕事って・・・何・・・？」
＊＊＊
「ちょっと、これって・・・」
「どうだ？たまには良いだろ！」
「いや、なんで雑草取りなのよ！」
初級の仕事の中でもっとも簡単である、とある家の雑草取りをしていた。
最近大変なことばかりであったからたまにはこういう神経をすり減らさない仕事も良いかと思ったが…。
彼女達には結果は逆だったかな？
メンタル的にもこれが良いかと思ったんだが…。
「確かに今まで探索続きだったからな、こういう案外楽な仕事も悪くないな…。」
「私、こういう仕事も好き」
モルフィとミミカは案外気に入ってくれたみたいだが、ユラはかなり嫌な顔してやがるよ…。
あいつはこういう、チマチマしたのって苦手だったからな…。
「雑草なんてくそすぎ！でも…ライアと一緒なら別に良いかも…。」
「え？」
「な、なんでもないわよ！！」
ユラ…。
やっぱりこいつも少しだが変わったな…。
でも、この前の"キス"はまだ恥ずかしいよ！！
＊＊＊
「ありがとうございました。お陰で庭がきれいになりました！最近腰が痛くてこんなことも出来ないくらいで…。」
依頼主のばあさんにお礼を言われて、報酬を受け取った俺達はその場を去った。
案外地味な仕事ではあったものの、三姉妹はどうやら満足げな笑みを浮かべていた。
やっぱりこういうのもよかったんだな！
「なあ少年。」
「ん？」
「君さえよければ、少年が私達のリーダーになってくれないか？」
「え？」
「私もお兄ちゃんがリーダーでいてほしい！」
「まあ、確かに今まであんたのおう通りにしていたからね！私達はあんたに任せるわ！」
「・・・分かった！リーダーになってやるよ！！」
何だかんだで眠れる女神のリーダーになっちまったけど、まあいっか！
3人は俺が守る！！
