怪奇は幕を閉じる…
ついに姿を現した学園内怪奇現象の犯人…。
とは言っても、実はサーシャが黒幕だったとは…。
姿を現した犯人は、そのまま俺を襲い始めた。
「く!お前、何者なんだ!?」
間一髪で相手の斬撃を避けた俺は相手に問い出した。
「俺は"ナッシュ"!知ってるか!?深淵の業火って奴の一員だ!」
「が、深淵の業火!?」
前にも教えたが、『深淵の業火』とはこの国で一番危険視されている犯罪組織…。
"ナッシュ"と名乗ったその男は確かにいった…。
深淵の業火の一員だと…。
以前パプリクアを襲ったコロロのいた組織…。
そんなやつが…どうしてこんな女の子の申し出を…
「ちょ~っと金に困っててな、この嬢ちゃんが報酬弾むからって言うから協力してやったのさ!その女の子を殺すだけなんて簡単な仕事じゃねえか!」
「何が簡単な仕事だ!考えなかったのか!?信頼していた親友に裏切られたメアリの気持ちを…それをお前とサーシャが踏みにじった…許さねえ!」
俺は怒りを露わにした。
その直後にナッシュが攻撃を仕掛けてきた。
俺はとっさに隠し持っていた短剣で応戦した。
そして同時に変装を解いた。
「え!?アイラさん!?あなた男だったの!?」
「ごめんな…騙すような事をして、それと、俺の本当の名前は『ライア』!冒険者だ!」
こんな形とはいえ、メアリに正体を明かしちまった…。
さぞ、驚いて…。
「・・・・・」
(ってジト目で引かれているううううううううう!?)
「あなたってそんな趣味が?しかも、女装して偽名までしてこの学園に通うとは…」
「いや!学園長直々に依頼を受けて来たんだよ!れっきとした"仕事"だよ!!」
「よそ見してんじゃねえ!」
「っ!?くそ!」
動きが速すぎる!それに、攻撃をしかけた後すぐに影に入っちまって隙がねえ…
くそ…どうすれば…
待てよ…影の中って事は…
「えい!」
俺は盗賊スキルで教室のカーテンを引きちぎった。
すると日の光が教室を照らした。
そして驚くべき事が起こった。
「うわあああああああああああああ!!」
「やっぱり!!」
思った通りだった…。
影の形は光によって変わる…。
そしてこいつの能力にも影響があった…。
弱点は『光』だった。
その証拠に、ナッシュは影から出てきた。
「くそ!こんな事で…」
「せめてガキを殺して…」
「させないわよ!」
「ぐは!」
間一髪でユラが応戦してくれた。
「ユーラさんも!?」
「この女!よくも、俺の仕事を!って、あ!」
「残念だな!お前の活躍はここまでだ!」
武器を奪い、成す術がなくなったのか、ナッシュは降参した…。
こうして、学園の怪奇現象は幕を下ろした…。
***
その後、ナッシュは軍に連行されたが、驚くべき事実は分かった。
実はナッシュは深淵の業火の一員じゃなかった。
カツアゲをする為によく言っていた単なる嘘だったらしい…。
ちょっと焦った俺は思った。
(こんな偽物に惑わされたなんて…)
***
事件は解決した事で俺達は当然学園を去る事にした。
サーシャは今回の行いを深く反省して学園を自主退学する事にした。
嫉妬が生んだ悲劇とはいえ、自分が招いた事は事実。
「メアリ…ごめんね…私…」
「そんな事無いわよ!」
メアリは泣いていた。
「あのね、サーシャ!あなたは私が頂点に立っているとか言っていたけど、それは努力したからなの!それに、努力できたのは、あなたがいつも傍にいてくれたからなの!」
「え?」
「あなたがいてくれたから頑張れたのよ!私、今でもサーシャを大事な親友だと思っているわ!」
「・・・メアリ!ごめんね!本当にごめんね!」
「サーシャ!」
2人は互いの胸に秘めた思いを口にして和解した。
和解の証に抱き合って泣いていた。
(良かったな…)
こうしてサーシャは学園を去った…。
そして俺達も、依頼達成という事で学園から出て行った。
***
ーー数日後。
組合で初の直々の依頼達成を祝っていた。
「でも、ちょっと残念だったわ!ライアのあの姿がもう見られないなんて」
「言うな!」
「ミミカ、お兄ちゃんのあの姿また見たいです!」
「私も…」
「お前らいい加減にしろ!」
どうやらみんな、俺の「アイラ」としての姿を非常に気に入っていた。
だが、もうこりごりだ…。
恥ずかしいと言う事もあるが、正直、あの悲劇を思い出しちまうから…。
きっと今頃、メアリも頑張って…。
「あ!みなさん!お久しぶりです!」
「え!?えええ!?」
驚いた。
声をかけてきたのは、メアリだった。
しかも隣にはサーシャがいた!?
「ふ、2人ともどうしてここに!?」
「実は、私も学園を自主退学しました!」
「は、はあああああああ!?」
話を聞くと、メアリはサーシャの件は自分が原因だとして、サーシャを追う形で学園を辞めたらしい…。
それから、2人ともそれぞれ親に勘当されたとかで…。
サーシャならともかくメアリまで…。
「って、辞めたって、あなたたちこれからどうするのよ!?」
「はい!私達!」
「実は・・・」
「「冒険者になりました!」」
「えええええええええ!?」
「やっぱり、私にはサーシャが必要だから!」
「私もね、メアリに迷惑かけちゃったから、せめてこれからはこの子に尽くしたいの!」
訳が分からないが、とにかく仲直り出来たみたいでよかった!
「という訳で、改めまして、ライアさん!ユラさん!他の皆さんも!」
「「よろしくお願いします!」」
ま、いいか・・・。




