怪奇現象の正体
驚いた…。
まさか、入った店のウエイトレスに、メアリがいたなんて…。
「あの…ご注文…」
「え?あ、ご、ごめん俺は…」(って、あれ?もしかして気付いてない?)
どうやら俺の事に気付いてないみたいだ…。
だが、改めて思うとそうかもな…。
ユラの化粧で完全に別人になっていたから、素の俺なんて知るわけないか…。
(一瞬焦ったな…さらに思えば、メアリ、そんなに胸は無いがスタイル良かったし…)
俺はついデレてしまった・・・
そんな俺を見てユラが嫉妬の眼差しを向けていた。
ってか、メアリよくユラの事も気付かなかったな…。
とりあえず晩飯を食った俺達は店を出て宿に戻った…。
***
ーー翌日。
俺はまたもユラにメイクを施されて『アイラ』として学園に登校した。
だが、やはり視線が痛い…。
また周囲がざわついていた。
「アイラさんよ…」
「噂通り見目麗しい…」
「ユーラさんも美しい…」
俺とユラは明らかに注目の的になっていた。
「なあユラ、今度こそバレたんじゃないか…!?」
「だ~か~ら~、大丈夫だっての!」(自分でやったとはいえ、ライアがここまで美少女になるなんて…だからみんなあんたに夢中になってんのに!!)
ユラの言葉を信じて俺は教室に向かった…。
***
授業を終えて昼休み。
昼食の時間に、俺はクラスメイト達にキャーキャー言われながら話しかけられていた。
「アイラさんはクラシックはお聞きになりますか?」
「え、ええ、とっても素敵ですわよね…」
「私は…」
・・・・・知らねーよ!クラシックなんて聞かねえし聞いた事もねえよ!
これが"お嬢様"ってやつなのかよ!?
俺なんて普通の"冒険者"だぞ!
だいたいこの子達なんかキラキラした目で俺の事何かを期待するかのようにガン見してやがるし!!
なんかこえーよ!
男だってバレてないにしてもこえーよ!
(ライア、どんまい!!)
***
「はぁ~」
どっぷり疲れた。
早く学校終わってくんねえかな…。
まだ2日目だってのに、具体的な怪奇現象の原因も証拠も掴んでねえのに、これじゃあ身が持たねえ…。
「アイラさん。」
「あ、メアリさん…」
「大丈夫ですか?なんか疲れた感じですが…」
「い、いえいえ、皆に色々相手にしていただけですわ、おほほほほ…」(やばい、俺まで心がお嬢様になりかけてる…オカマにならないか心配になって来た…)
廊下でばったりメアリに出くわしたが、俺は何気ない顔で対応した。
正直、昨夜の事とか聞きてえけどアイラの正体が男だってバラすようなもんだから聞くに聞けねえし…。
「私、ちょっと疲れて…ん?」
うっすらだがメアリの影に何か光が見えたような…
「危ない!」
「え!?きゃっ!?」
間一髪でメアリを抱えて避けた。
(一瞬見えたが、あれは確実に"短剣"だった…。)
もしかして、あれがこの学園での怪奇現象の正体か!?
だが、あれは確実に人間だった。
もしかして、影の中を移動できる能力の持ち主か!?
そうなると、これは怪奇現象じゃないな…。
明らかに人間の仕業だ!
「ん~…」
「あ、メアリ…さん!大丈夫ですか?」
メアリは左の二の腕に切り傷を負ってしまっていた。
とりあえず保健室に運ばないと!




