調査結果
「はじめまして!ユーラです!」
「は、はじめ…まして…あ、アイラと申します…。よろしくお願いします…。」
「「「・・・・・」」」
女子生徒達のざわつきが収まらねえ…。
俺とユラは今まさに教壇の前に立たされて自己紹介をしていた。
ユラは「ユーラ」、そして俺は「アイラ」とそれぞれ名前をいじって偽名を名乗った。
だけど、ざわつきはまだ続いていた。
(やっぱり絶対これ俺"男"だってバレてるだろ…!?)
「それじゃあ、ユーラさんとアイラさんは、あちらの席へ」
担任に言われた場所の席に座った俺。
その隣には可憐な女の子がいた。
「初めまして、アイラさん。」
「は、初めましてっ」
やべ!噛みそう…
隣の席のこの子は"メアリ・アーウィ"
この州の領地を治める領主の娘、つまりは貴族令嬢ってやつだ。
先生から聞いた話によると、彼女は成績優秀で運動神経も良くこのクラスの学級委員を務めている所謂"才女"との事。
しかも容姿端麗で他の生徒達からの人気も人望も高いってさ!
もしこの学園に男子生徒がいたら間違いなく告白されまくりだな!
でも…メアリ、今夢にも思ってないかもな…。
(まさか俺が本当は性別が男だなんて…ははは…)
「どうかしました?」
「い、いえ…」
今は苦笑いするしかなかった…。
***
授業はようやく終わって休み時間になった。
「なにモジモジしてんのよライ…アイラ!」
「しかたないだろ!こんな一生縁のない所に来ちまってよ…それになんだよ『アイラ』って、俺の名前逆さにしただけじゃないか…お前も『ユーラ』って伸ばしただけだしよ…」
「ごめんね…偽名他に思いつかなくて…」
まさかユラに偽名を考える才能が無かったなんて…
「アイラさん、ユーラさん、お時間よろしいですか?」
「え、は、はい…」
先生に言われて俺とユラはメアリに学園内を案内してもらった。
俺は好都合だと思った。
メアリに案内される形で学園内をある程度は隈なく怪しい場所をチェック出来る。
色んな教室、食堂、体育館、校庭と…
だいたいは周れたが、怪しい場所はピンとこなかったな…。
「こんな時期に運がありませんね…」
「え?」
「最近、この学園で不穏な事が続いているのです…。」
「へ、へえ~そうなんですか…」(その調査の為に、俺らが来たんだけどな…)
案内が終わり、休み時間は終わった。
そしてお昼休みに入った。
昼食は食堂で取る事になっているようで、俺らは同じ席に集まって情報共有をしていた。
他のみんなも学園に怪しい所は無かったと言っていた。
一体どうなってんだ?
「痕跡とかも無かったのか?」
「詳しく見ていないだけかもしれないが…迂闊に見てはこっちも怪しまれるからな…」
「ミミカは、お友達沢山出来ました!」
「あのな…」
なんだかんだあって、経過報告は収集無しだった。
ミミカはなんだかんだ楽しんでいるようだが…。
そして時間はあっという間に過ぎていき、学園は下校の時間を迎えた。
***
学園の生徒は自宅から通っている子もいれば寮から通っている子もいるとの事。
当然俺らは本来生徒じゃないから宿で寝泊まりする事になる。
「あ~!完全に疲れた!でも今は自由だ~!」
なんせようやく女装から解放されたんだからな…。
今回の調査結果は何も得られなかった…。
だが、まだ明日がある!
明日こそは…
「ライア!ご飯食べに行こ!」
「あ、分かった!」
宿の近くにある飯屋で夕食を取る事になった。
だが、俺は入ってすぐに後悔した。
「なんだこの店はアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
ウエイトレスがかなり露出の高い制服を着ている!
店長の趣味か!?
「どうしてここにしたんだ!!」
「知らなかったのよ!!こんな店だなんて!!」
だが、メニュー表を見る限り提供される食事は普通らしい…。
とりあえず注文するか…。
「いらっしゃいませ!ご注文いかがしますか?」
「ああ、俺はって…え!?」
注文を聞きに来たウエイトレスを見て俺はびっくりした。
なぜなら、そのウエイトレスは…。
"メアリ"だった…。




