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グランモルナクに寄す、めでたいご帰国に際して

「メシヤくん!」

 鷹山が両腕を広げてメシヤを出迎えた。


「ただいま戻りました、鷹山さん」

 メシヤは旅の疲れを感じさせない。


「メシヤくん。君のいないあいだ、日本は大変だったよ。プロミネンスもいまだ猛威を振るっているし、オリンピック開催への抗議もやまない」

 鷹山はややくたびれた様子だった。


「はい。そのへんの状況は僕も海外から見ていました」

 メシヤはいつになく落ちついている。


(メシヤさまによる集団免疫も、ウイルスが変異すればまた1からやり直しという訳ですわね)

 レマは心のなかでつぶやいた。


架塔かとう、みなさんにお茶を」

 鷹山は秘書官の架塔リックに促した。


「かしこまりました、総理」

 彫りの深い架塔は、給湯室に消えて行った。


 話はぜんぜん始まらない。

 どうも鷹山は、なにか言いにくい要件を抱えているようだ。


 しばらくすると、架塔が戻ってきた。

「粗茶ですが」


 メシヤは珈琲もお茶に入るのかなと真面目に考えたが、鼻孔をくすぐるそれは、メシヤ好みの味であった。


 珈琲が会話を円滑にすることはある。場が和んだのを見て鷹山が切り出した。


「メシヤくん、ワシの椅子に座ってみる気はないかね?」

「ええーーー!!??」

 メシヤが椅子に座るくらいなら、とマジボケで返事しそうになる前に、同席したマリアが金切り声を上げた。











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