大冒険をよろしく
首相官邸・北伊勢キャッスルに、メシヤとイエスがやって来ている。
鷹山巌一郎第99代内閣総理大臣からの直々のお呼び出しだ。
「よく来てくれたね。メシヤくん、イエスくん」
鷹山は喜びの表情で迎えた。
「近所ですし、こんな立派なところならいつだって来たいですよ!」
メシヤも上機嫌だ。
「ははは。この城もイエスくんの設計を元に造ったものだし、君たちはvery important personだよ」
「僕はあまり携わっていないのでなんだか悪いですね」
メシヤは少し申し訳無さそうにする。
「いやいや、今日呼んだのは他でもない、メシヤくんに是非お願いしたいことがあるんだよ」
鷹山は常に情熱的だ。
「あ、そうだったんですね」
「うむ。メシヤくん、君と以前、六大陸をハイパーループで繋ぐという構想を話し合っただろう? 君の思い描いたブループリントがもう完成間近なんだよ」
「耳にはしていましたが、工期がここまで短くなったのは驚異的ですね」
(デスヘヴンに行っているあいだにカオスの調整が行われたのかな)
メシヤは胸の内でつぶやく。
「そう、発案者の君にぜひとも推進式に参加してもらいたいんだよ」
「それはもう、願ったり叶ったりですよ!」
「よかったな、メシヤ」
イエスが声をかける。それを聞いてぽかんとするメシヤ。
「何、他人事みたいに言ってるのさ。イエスも行くんだよ」
「なに? 俺もか!」
「ああ、マリアもエリもレマもきっとついて来てくれるよ!」
そう言いながらメシヤは鷹山のほうに顔を向けた。
鷹山は、無論だという面持ちで深くうなずいた。
「さあ、大冒険が始まるぞ!」
線路は続くよどこまでも。メシヤの好奇心に、終わりはない。