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マンマシンシステム

「真倉さん、きょうもチューニングバッチリですね!」

 メシヤは自動車修理店の"メカドック真倉"に訪れている。

 店主の名は真倉蓮まくられんという。


「おう、メシヤ! そういやお前も免許取ったんだったな」

 真倉が手を止め、応答する。

「はい、テレイグジスタンスで余裕でしたよ。法改正で取得可能年齢も早まりましたし」


「俺らの時代とは違うね~。まっ、でもお前も高校生だから愛車はまだ買えないだろうけどな」

「そうですね。15歳に早まったといっても、あれは中学を卒業して働く人向けですし、僕はもっぱら父さんとイエスんとこの車を借りて運転していますよ」


「ああ、十九川工務店さんのトラックはうちも整備させてもらってるよ。確かイエスももう乗りこなしてたな」

「へ~、イエスやるなあ」

 話が一段落すると、真倉はまた作業に戻った。


「いまはマンマシンシステムで車の不具合がすぐパネルに表示されるからありがたいですよね」

 メシヤの声かけに真倉は斜め上を見て一瞬考えた。


「パネルの表示ですぐ対処しようとするお客さんはいいけど、それをほったらかしにする人もいるんだよな」

「それは危ないですよね」


「道の真ん中で立ち往生してるドライバーも大抵そういう人だよ」

「一般道ならまだしも、高速道路だったら命取りですね」


「ふむ。それにな、マンマシンシステムだけじゃなくて、車は多様な信号を発してるんだよ。わずかな車の減速感、不愉快な振動、どこからともなく聞こえる異音、ハンドルの軽さ・硬さ、ナビの反応の悪さ、オーディオの途切れ、洗っても洗っても出てくる汚れ・・・」

「なるほど・・・」


「それからな、やたら事故が多い時は自分の生活習慣そのものを見直したほうがいいぞ」

「愛車が人生についても教えてくれているんですね」

「はは、そうだな」


「他にもありそうですね。マンハウスシステム、マンシティシステム、マンアースシステム・・・」

「面白いことを言うな。マンハウスシステムだとどんな信号があるんだ?」

「そうですね。ホコリがたまりだしたら、幸運は遠のくでしょうね」





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