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さよならだけど、サヨナラじゃない

 主聖堂が虹色に輝き出す。

「ワ、ワ! 手がカラダをすり抜けるヨ!」

 エリが心配半分、好奇心半分といった悲鳴をあげる。


「しばしの辛抱です。いま、我々はスターゲイトを通過中なのです。光速を突破するためには、肉体を地球に留守番させないといけません」

 レオンが宇宙旅行のメカニズムを解説する。


「ひょっとして、量子テレポーテーションってやつかな?」

 メシヤが持ち合わせの知識で問う。


「そう言っても差し支えはありません。量子テレポーテーションは離れた場所に肉体データを転移するので、転送先にも転送元にも肉体が残るという不都合が生じます。SFでは転送元の肉体をデリートしたりしますが、聞いただけでもゾッとしませんか?」

 メシヤ以下、クルー全員の額に数本の縦線が浮かぶ。


「ですが、ご安心ください。肉体データを転送するまでは量子テレポートと同じですが、スターゲイトを通ってまた地球に帰還するときに、オリジナルとコピーを統合することが出来ます」

 困惑の表情を浮かべるメシヤ一同。エリはもう話について行けず、聞く気が無い。


「なにやら話が混み合ってきていますが、太古から地球に飛来してきた異星人も同じ原理でやって来ています。受肉という言葉が意味するのも、オリジナルの肉体を離れて、霊体だけ他天体の生物に憑依する、ということなのです」

 

 

「ひょっとして量子テレポーテーションは時間も飛び越えるんじゃないの?」

 メシヤが思いついたことを口にする。


「今日の講義はここまでです」

 レオンがやんわりと微笑をうかべると、メシヤの質問をシャットアウトした。

 

「あ、風景が白くなってきたわ」

 マリアが淡々とつぶやいた。


「もうそろそろ終点です」

 





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