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オカルチックが止まらない
「ボウスハイトさま」
「うむ」
「メシヤは、デスヘヴンに向かうようです」
「そうか」
遠い目をするボウスハイト。
「今後のボウスハイトさまの英図ですが、世界統一政府を樹立するためには、第三神殿を建設する必要がございます」
ボウスハイトの反応をうかがう側近。
「構わん。続けろ」
「はい。ですが、第三神殿をエルサレムに建設しては、また新たな戦争の火種を生むでしょう」
「その通りだな。あそこはユダヤ教だけの聖地ではない」
「そこで私は、第三神殿建設の、別の候補地をご提案いたします」
「ほう、その場所とは?」
「失われた10支族が世界中に散らばっているのは、少々調べれば誰しもがたどり着く事実でございます。10支族の現在の居住地、それならユダヤ人の理解も得られます」
「元々、ユダヤ人の本当の故郷は、デスヘヴンだからな。テラに最初に降り立った、天孫降臨の地が良かろう」
「では、その方向で調整を開始します」
「うむ。吉報を待つ」