表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/219

宇宙が夢中

「メシヤくんにイエスくん。東西オーストラリア上陸ルート、それから南極大陸到達ルート。 

これら以外はすでに話が進んでいるんだ。ロックフォーゲル大統領の指揮のもとにね」

「それは話が速いですね」

 イエスはまなじりに力がこもった。


「南極へのルートはチリからが一番近いんだが、オーストラリア、アフリカ大陸からも結ぼ 

うと思っている。これが最大の難所だな。まだまだ障壁がある」

「距離もそうですけど、涙も凍る南極大陸ですからね」

 メシヤは、バナナで釘が打てます的な寒い地域特有のコメントをした。

「日本の受け持ちは日韓トンネル。そして、ロシアと繋がる宗谷トンネル、タタールトンネルだ」


「僕が子供の頃に読んだ科学雑誌に載っていました。22世紀の未来はこうなるって。その世界では鷹山さんの構想通り、世界の六大陸が繋がっていました」

 メシヤは思い出を反芻する。

「おいおい、『モー。』は科学雑誌なのか?」

 イエスがツッコミを入れる。

「オカルトは超科学だよ」

「はは。私の子供の頃に読んだ少年誌にも、近未来特集が毎号のように載っていたよ。私の世界改造計画もそこが原点だな」


「鷹山さんが中学二年生の頃に、アポロ11号が月面着陸したんでしたね」

 イエスは人物年表を事細かに覚えている。

「そう。私が理系志望に決めたのも、その出来事が大きい」

「鷹山さんの経歴はまさにエリート街道ですものね」

「いやいや、夢破れてるよ。JAXAには入れなかったからね」

「すごいですね! パイロット試験受けたんですね!」

 メシヤが目を爛々と輝かせて尋ねる。


「洒落じゃないが、宇宙に夢中だったからね。メシヤくんもそうだろ?」

「僕の場合は、『宇宙に夢中』じゃなくて『宇宙が夢中』でしたね」

「同じことだろ」

 鷹山に自分のことは聞かれなかったのを少し寂しく思ったイエスが、メシヤに文法の違いを確認する。


「言い換えるなら、『ONE FOR ALL, ALL FOR ONE』かな」

 ?マークを浮かべる鷹山とイエス。

「宇宙中がなにかに夢中になってる状態、ってことだよ」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ