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棟梁、登場

「♪♫♬♬♫♪」


 某有名戦国シミュレーションゲームのテーマ曲が流れた。イエスの着メロだった。

「すまんな、今日はこれでご無礼する」

 立ち去ろうとするイエス。


「Oh, God bless youゴッブレースユー?」

 エリが出入り口まで付いていき、見送る形になった。 今度はダジャレではなく本当にそう聞こえたようだ。



「待っていたぞ、イエス」

 イエスの父、十九川広忠とくがわひろただ。名古屋市を基盤に全国展開するゼネコン大手・十九川工務店の十九代目社長だ。背広ではなく、作業服を着ている。手は切り傷やハンマーで潰れたような跡が目立ち、分厚く節くれだっている。イエスはそんな父をとても尊敬している。本社は名古屋だが、自宅はベッドタウンの北伊勢市にある。


「鷹山さんの件ですね」

「そうだ。鷹山さんの計らいもあって、ウチも仕事には事欠かない。週に1度はワシも顔を合わせるが、今回はお前に用があるそうだ」


 鷹山巌一郎たかやまげんいちろう。三重の大物政治家。大型ショッピングモール・シオングループの創業者を父に持つ。


「鷹山さんの計画はお前も知っていると思うが、あれは10年20年とかかる大仕事だ。だが、鷹山さんもとうに還暦を過ぎた。そこで、そろそろ後継者探しをしたいとのお考えらしい」

 なんとも藪から棒な話だ。


「『イエスくんのことは生まれたときから知っているし、学業も申し分ない。体も丈夫で侠気おとこぎもある。ぜひ三重の地盤を引き継いでほしい』と、ここまでおっしゃっている」


「まだ私は高校一年生ですよ? 分不相応ですし、他にもふさわしい方が―――」

 そこまで口にして、イエスはハッとした。脳裏に、あの男のことが思い浮かんだ。メシヤである。


(考えたことも無かったが、あいつが政治家になったら、きっと楽しい世の中になるんじゃないか? ハハ、こいつはいいや。ダニエルという男のことも気になるし、これから面白いことになるぞ)






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