キング・オブ・キングス
「状況を報告せよ」
メルヘンチックな一室で、モニターに向かって話しかけている少女が一人。
「はい、あのお方はダビデの剣、ソロモンの剣を手に入れ、扱い方もかなり手慣れてきております。先日はマナの聖杯も入手しました」
「ほう、メシヤはそこまでたどり着いたか」
「アーロン様、このあいだおっしゃっていたことは本当なのでしょうか?」
「ああ、本当だ」
「恐ろしくもありますが、ぜひ私もこの目で見届けたいものですね」
「救世主とは、ポップスターであり、トリックスターである。恐れられもするが、愛される存在だよ」
「それは、確かに感じます」
「お前も妻にしてもらえばいい」
「はいっ?」
「救世主はキング・オブ・キングス。何人もの妻を娶って当たり前だ」
「それはそうですが・・・」
「お前もあの男を好いておるのだろう?」
「私は一番でなければ嫌です」
「一番も二番もないさ。みな平等だ」
「分け隔てない、というのは当てはまりますね。優しいだけじゃなく、強いです。彼は」
「救世主の世継ぎを産んでみたくはないか?」
「ライバルが多そうですね。望むところですが」
「その意気だ。石板のことは頼んだぞ」
「アバンティ(了解)」