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宝のありかは

「う~ん」

 考え込むメシヤ。


「発言の許可を求めます。Mr.ダニエル」

「ダニエルはファーストネームだ。俺のファミリーネームはブラッドソードだ」


「Sorry, Can I ask a question ? Mr.Bloodsword(ソーリー、キャナイアスカクエスチョン? ミスターブラッソード 」

Sureシュア


「なんでこんなにも重要な宝が、こんなド田舎の北伊勢市に集まってるんですか?」

 メシヤは誰もが抱く疑問を口にした。


「お前、まだそんなことを言っているのか」

「ん?」


「宝探しで隠す側の心理になってみろよ」

「はあ」

 まだ意図がつかめないメシヤ。


「目立つところに目立つものを置いとくわけがないだろう? 人が気にも留めないようなところに大事なものを隠す。いつの時代もそうさ」


「それなら納得ですね。三重県って確かに目立ってないですから。でもネットでは三重県ネタで他の地方の人が盛り上がってくれたりするから、ポテンシャルは高いと思ってましたよ」

 三重県人としての郷土愛は高いようだ。


「よく分かってるじゃないか。日本のメッカがある時点で、何かを感じ取らないといけないな、多くの日本人は」


 さっきまでの緊迫感が嘘のようだ。これはメシヤの生来の人たらしの魅力がそうさせるのだろう。


「いまは敵対関係のようだけど、落ち着いたらウチにも食べに来てね、ダニエルさん」

「お前は本当に変わってるな。大抵のやつらはビビってすぐ寝返りやがる」


「う~んとね、ダニエルさん」

「なんだ」


「僕はこの世の中に、本当の意味での悪人っていないと思ってるよ」

 後ろの手下どもも厳つい表情が消えて、すっかり和んでいる。


「メシヤ」

「はい」


「さっきの妹ちゃんへの言葉、いつまでも忘れるなよ」

「もちろんですよ!」

 満面の笑顔で答えるメシヤ。


「作戦変更だ。こいつはやっぱりお前が持っとけ」

 聖杯をメシヤに手渡すダニエル。


「でも上の人、怒らない?」

「そんなことは、お前が気にしなくていい」

 そう言うと、ダニエル一行はめし屋フジワラを後に立ち去った。








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