秋のパン祭り
「三重じゃ珍しいデイリーヤマザキ! ちょっと寄ってくわよ」
コンビニ三国志と言われる中、隠れファンも多い業界第5位のデイリーヤマザキ。
「ヤマザキショップならよく見るよ」
ヤマザキショップのほうが、店の独自性を出せる。
「日本のパンは、なんでも挟もうとするチャレンジ精神がありますわ」
ヨーロッパのパン職人が驚くくらいだ。
「俺は米派だが、デイリーホットの店内調理システムは魅力的だな」
コンビニでここまでするのは、かなりの苦労がうかがえる。
「どんなにコンビニのパンが美味しくなったっていってモ、焼きたてには敵わないネ!」
エリもヤマザキ推しである。
「焼きたてのじゃ無くても、ヤマザキといえばチーズ蒸しパンとまるごとバナナだよね。あれ、僕らよりも年上なんだよ」
両方とも、ともに1990年の発売である。
「他社も後追いで違うフルーツ挟んでるのを出してるけど、ヤマザキにこそまるごとみかんやメロン・桃・柿なんてものを発売してほしいわね」
フルーツなら、他にも可能性は大いにある。フルーツサンドがあれだけヒットしたのだから。
「お弁当もお店で調理しているのですね。こうした努力がぜひとも報われて欲しいですわ」
デイリーホットのある店舗もまだまだ少なめであるが、コンビニ弁当に飽き気味の客層へ需要がありそうだ。
「『~たて』って言葉は、良い意味の物が多いよね。炊きたて、出来たて、穫れたて、干したて、洗いたて」
思ったことをすぐ口にするので、メシヤは話が脱線しやすい。
「ほれ、裁紅谷。買いたてのパンだぞ」
まとめてレジを済ませたイエスが、腹を空かせたエリに焼きそば目玉焼きパンを渡した。
受け取ったエリは、ベーコンスライスを外して、メシヤにあげた。
「5位じゃ無くテ、ヤマザキ1番だネ!」