表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
202/213

空のキャンバス

「高速道路がどんどん繋がっていくわね」

 Amazonがすぐ届くのも、こうした交通インフラの賜物である。


「うん。でも日本の高度成長期に造られたトンネルや橋脚もメンテしないとね。けっこうボロボロだよ」

 これは切実で緊迫な課題である。


「造るのをやりたがる人間は多いが、やりっぱなしではな。その後の面倒も見てこそ、だ」

 建設業界最大手のせがれといえども、率先してハンマーとインパクトを扱うイエス。


「このあいだメシヤの提案で小物入れに色を塗ったけど、コンクリートでもやるといいわよね」

 いっぱしのカラーコーディネーターである。


「グッドアイデアだね!」

 メシヤは同じ年代の子供がぬりえをしていたとき、すでに身の回りのモノにペイントをほどこしていた。


「ああ。それは名案だな。ただ粗雑なやり方をしてしまうと、クラックが進行してしまう。鉄骨のさび止めを施して、クラックも埋めて下処理すればOKだ。洗浄も忘れずにな」

 幼少時のイエスのおもちゃは、余った建築資材だった。


「街中でもさ、コンクリートに苔が生えたり割れたりして、古ぼけてるのが多いのよね。ペイントしたら、街が明るくなりそうだわ」

 補強にもなるし、一石二鳥だろう。


「マリア、犬小屋のペイントもお手の物だったね」

 聖ヨハネ北伊勢教会に、エルというクーバース犬がいる。立派すぎて小屋と呼ぶような代物ではないが。


「つなぎ服もサマになってたな」

 若手を育成するような親方目線である。


「そうそう、エルも喜んでたわ!」

 照れるお転婆娘。

金髪を後ろで結い、白いつなぎに赤いインナーという出で立ちであった。なんぴとたりとも、マリアの前は走らせない。



















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ