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荒らす憎むべき者

 アメリカ合衆国大統領は、35歳以上にならないと、その就任資格が無い。しかし、アメリカ合衆国憲法第二条第一節第五項に明記されたこの縛りを、覆した男がいる。


 メシヤと同じ15歳のドイツ系アメリカ人、ボウスハイト・ロックフォーゲル。この少年が、またたく間にアメリカ合衆国大統領に就任したのだ。


 全州の4分の3の議会で憲法修正を承認され、大統領選挙に正式に立候補。対立候補をトリプルスコアで破り、晴れて第46代アメリカ合衆国大統領に選出されたのだ。

 

 彼は生まれて間もなく、口を利いたという。見るもの、聞くものは、決して忘れることがなく、周囲の大人たちを驚かせた。書物を一読するだけであらゆる知識を吸収し、外国語の習得も堪能だった。スポーツをやらせれば、同年代では叶うものはなく、身長・筋力も恵まれていた。


 幼い頃から歴史と政治に特に関心を示し、父が政府の要人だったこともあり、ホワイトハウスにはよく出入りしていた。


 数年前の米国では、所得格差・失業率の悪化・不法移民による犯罪の増加に悩まされていた。第45代の大統領、ジョーカー・ハイローラーは、これらの難問に適切に対処した。


 低所得者に対しては減税し、高所得者には増税した。金の動きが活発になり、人々は消費意欲が増した。モノもよく売れ、アメリカ国民は仕事に困ることは無くなった。


 高所得者も「どうせ税金で持って行かれるなら」と、金を使うようになった。

不法移民には強制送還も行ったが、合法的に入国している異邦人には手厚く保護し、また彼らの祖国への政府開発援助も増額した。


 自国の発展を目の当たりにし、永住を決めていた者たちも、祖国へと帰っていった。


 ジョーカーに入れ知恵をしたのは、ボウスハイトである。以前はパッとしなかった大統領が、ものの見事に政果を残し、諸問題を次から次へと解決していくので、アメリカ国民は不思議がっていた。


 ところが、メディアへの質疑応答は全くサマにならず、姿の見えないところでの決断が成功しているだけだったので、謎は一層深まった。






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