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ファイヤーファイター

 ヒッツィとは、金の柄に納められている、炎のエネルギー単位だ。これもそれとなく、奈保が教えてくれた。


 メシヤは炎の消えた鳳雛剣を“鞘”に納めた。間髪入れずに臥龍剣を右手で抜き、大きく息を吐くと、銀の柄に壮麗な龍の化身があらわれた。メシヤは両手で臥龍剣を握ると、その水の塊をまだくすぶっているバンガローに向けて掃水した。


 火の粉が飛んで軽い火傷ていどですんだ子供たちではあったが、水龍のシャワーは文字通り恵みの雨であった。


 水流も火炎もエネルギーとして吸収し、今回は銀の柄から水龍を出現させて、火事現場を鎮火させることに成功した。

 メシヤは一躍ヒーローになった。小学生の子供達が群がって歓声をあげた。メシヤは精神年齢が低いので、もともと子供には好かれる。


「メシヤ、すごいじゃない!」

「いまのどうやったノ?」

「メシヤさま、お怪我はありませんでしたか?」

「メシヤ! でかした!」

 マリア、エリ、レマ、イエスたちが寄ってたかってメシヤを褒め称える。



「そう、それでいいのですよ。メシヤくん」

 色白の太った小男が隣の棟のバンガローから眺めていた。奈保である。いったい何歳なのか想像がつかないが、いまのところメシヤの味方のようである。


 反対方向の木の枝から、一部始終を見ていた男がもうひとり。

「ふむ、こいつはあの神剣の初歩的な使い方ではあるが」


 ダニエルである。タバコに火をつけ一服している。

「いちおう、ボウスハイトさまにも報告しておくか」






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