表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/21

忘れていた初恋の巻

初めまして。初瀬 琴音と申します。

徒然なるままに、小説を書き始めてみました。

壱分は如何でたか?


いよいよ弐部が始まりました。まだ、全て書き終わっていないので、投稿間隔が空いてしまうかもしれませんが、よろしくお付き合い下さい。


ブックマークしていただけると嬉しいです。

 (久しぶりに帰ってきたけど、やっぱり我が家は最高!)

アンティアは、侍女が起こしにくるまでの一時、天蓋付ベッドで足をバタバタしながら、実家を満喫する。


 春前にはタウンハウスに移動しないといけない。

魔導師団の見習い、という話になってはいるが、毎日のように行われるお茶会、夜会……などの社交になるのだろうか?

頭が痛いわぁ…と思いつつ、枕に顔を埋める。


起こしにきた侍女に、義父上に話があるので、予定を聞いてほしい。と伝える。

タウンハウスに行く前に、寄っておきたい所があるので、義父上に許可をもらいに行きたい。


 そこは、滝砦と呼ばれていて国境に接している。

平常時は自然豊かな穏やか別荘地となるが、有事の際には防衛の最前線になる砦だ。


 幼い頃に過ごした土地で、ここで式の扱いを精霊使いに教えてもらった。

 精霊使い。と言う呼び名が正しいのかもわからないが……


 ※


 しばらく帰ってこないのだから、挨拶ぐらいしておいた方が良いだろう。

 と、義両親は賛成してくれた。


 翌日、アンティアは、セオとモモと数人の護衛と共に滝砦に向かう。途中、伝令砦で領地の事務を片付けながら、数日かけて滝砦に着いた。


 モモ達が片付けをしている間に、アンティアは、砦の監視塔に登った。

 眼下にはラベンダーが一面に広がっている。事故の時に、アンティアが、握りしめていたラベンダーの花束を差し穂して増やしたのだ。


 まだ、時期ではないので一面、茶色なんだか緑なんだかの微妙な色合いだ。

 (今年は、一面の紫を見れないんだなぁ……) アンティアは少し寂しく感じるのだった。


 砦での自室に入る。少しホコリっぽい匂いがするのも懐かしい。

 一回りする。(あー、帰ってきたんだな……)


 壁に、幼い頃のアンティア、カイ、セオ、モモの4人の姿絵が飾られている。

 ふと、気になってその姿絵を凝視する。


 (私の瞳って、こんな色だったっけ?)

 その絵のアンティアの瞳は、辺縁がアメシストで、中心にかけて琥珀色だった。

 そんな事もあるのか…と思いつつ、ふと視線を下げると、壁に小さな隙間を見つけた。


 (あっ、子供の頃、宝物をしまってた場所だ)

 こんな昔の事、なんで今さら思い出したんだろうか。

 まぁ、忘れる位だから、もうなにも隠してないんだろうけど……と思いつつ、そっと隙間を開けてみる。


 フフッと声が漏れる。

 そこには、綺麗なエメラルド色の石が置いてあった。

 アンティアは、そっと隙間を閉じた。


 ※


 翌日アンティアは、セオとモモを連れて滝へと向かう。

 滝砦から馬で1時間程で、歩いてもいける。

 子供の頃は、よく走っていた。


 滝の近くの岩場で二人を待たせて、独り滝壺へ向かった。とても神聖な気持ちになる。

 しばらくすると、懐かしい声がアンティアを呼んだ。


 ※


「まだまだ!準備が遅いぞ!」

「ほらほら、足元が弱い!」


久しぶりの再開を喜ぶ間もなく、師匠の鍛練が始まる。

 アンティアの目下の悩みは、連続で式を操れないこと、複数の式を一度に出せない。

 精神力は肉体力に比例する。という理論の元、修行をつけてもらっている。


 汗を拭う暇もないまま、師匠からの式が飛ぶ。

 (いったい何体出てきんだ?)


「お前は、考える時間が長い。呼吸するように式を扱え。式を信じろ。悩むな」


 (……例えが抽象的過ぎて、わけわかんない)


「それだ。そこが、カンガエスギなんだよ」

師匠のカラスが頭をつつく。


 無意識に手を払うと、アンティアの小鳥の式がカラスに襲いかかる。

(あー、なんとなくわかったかも)

 師匠がニヤリと笑う。


「実戦が一番手っ取り早い」


 ※


 数日、アンティアは、修行をつけてもらい、かろうじて二体の式を同時に飛ばせるようになった。

 三体になると、どうにも考えてしまって上手くいかない。

しかし、結局のところ、彼女の扱う式は『折紙』を基本にしているので、準備をしていないと飛ばすことができない。

また、接近戦になれば、式は弱いし役に立たない。どうしたものか?と悩んでいると、

「まぁ、手がないわけではないだが、今のお前では無理だな」

と、言いながら一枚の紙を取り出した。

「まぁ、見てなさい」

と、紙に何やらつぶやくと『鳥』になり、空へ飛び立った。呆気に取られていると、『鳥になれ』と『呪をかけた』そうだ。

『折紙』は、折りながら『呪』を掛けているようなもので、その『折る』行為を省いたものが、『式神』だと理解すれば良い。古来、式神は一部隊になる程の力を持つ。とも言われていた。と、教えてくれた。

「どちらにしろ、鍛練をする時間が必要だ。まずは、複数の式を飛ばせるようにしなさい」


残念だが、今は時間がない。アンティアは、今は式二体をうまくあつかえるように精進することにした。


 アンティアは、師匠と再開の約束をして、精神を鍛えよう!と心に決めた。やり方は、わからないけど。

いかがでしたでしょうか?

面白かった、つまらなかった。評価、いいね、☆等で応援していただければ、幸いです。

今日も、良い一日になりますように。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ