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魔術だらけの世の中で、式神使いはどうでしょう? 式だって魔術だい!  作者: 雪 琴羽
~とりあえず、王太子妃候補から逃げましょう~
2/21

魔術も少しは使えますぅ。いざ、王城脱出!の巻

「そりゃ、警備に穴があったら問題ですよ。王城ですよ?」

呆れ顔のモモに、着替えを手伝ってもらう。


「じゃあ、港町に行ってみようかしら?何か面白いものが見つかるといいなぁ。」

隣国の船が入っているなら、変わったナイフが見つかるかもしれない。と、アンティアは考えた。


「もう、ナイフはいりませんよ。」

モモに、しかめっつらで釘を刺された。

「いやいや、ナイフは芸術よ?細かい細工とか惚れ惚れするわ。手のひらに、しっくり収まった日にはもう、買うしかないでしよ?」

「しっくりナイフが、何本あると思ってるんですか!そんなに、持ち歩けないでしょ。」


モモは、文句を言いながらも、ツル草が複雑に絡まったような彫りが、柄に施された、美しい刃文のナイフを、脛に仕込んだ革ホルダーに、閉まってくれる。

これは、アンティアの、お気に入りの一本だ。モモは、アンティアに甘い。


乗馬服に着替え終わったアンティアは、椅子に座り、テーブルの上にある、ラベンダーの型押がついたメモに、サラサラと一言書いて、バルコニーに立ち指笛を吹く。


しばらく待つと、『グゥァァァァ』と言う鳴き声と共に、鷹のイブキが視界に入ってきた。


アンティアが、アームカバーのついた左腕を、胸の前に出すと、スッとイブキが、舞い降りる。

モモが、先程のメモを折って、イブキの脚輪の中に閉まった。

再び、アンティアが、腕を振り上げると、イブキは、大空に飛び立った。



義父上、義兄上

お役目は果たしたと思うので、港町で散策してから帰ります。



この手紙を付けたイブキは、途中で休憩しても、日暮頃には、領地に届けてくれるだろう。


(よし、呼び出しが来る前に逃げよう)


アンティアは、ワンピースと、必要な生活費などといっしょに、軽食も入ったバックを持って、再びバルコニーに立つ。

モモに見守られながら、精神統一。


「どう?」

「大丈夫です。しっかり隠れてますよ。」


気配を消しきったアンティアは、バルコニーから身を乗りだし、手近な木に飛び移る。

「じゃ、お土産期待しててね。」


明後日の方向に「お気をつけて」と、モモが手を振る。


(うん、大丈夫。見えてない)


アンティアは、小鳥の目で、確認した情報を、思い出しながら、警備の少ないところを走り抜ける。


「うん?風が強いのか?」

警備の横を走り抜けるアンティアは、さながら()()()()のようだ。

城内を抜け、人目の付かないところで、術を解いたアンティアは、ポケットから、馬の折紙を出し、息を吹き掛ける。


颯爽と、栗毛の馬にまたがったアンティアは、港町を目指し、馬を走らす。

(どこで軽食を食べようか…日が暮れるまえには、港町に入れると思うんだけど。数日後には、港町で領地の迎えと、合流できるはず。上手くいきますように……)

いかがでしたでしょうか?

面白かった、つまらなかった。評価、いいね、☆等で応援していただければ、幸いです。

今日も、良い一日になりますように。

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