第7話 会見
第7話 会見
−首相会見−
「我が国は、1月1日から異世界へと転移致しました。そして、海外との通信も全て途絶えてしまいました。しかも、我が国は石油、食料を他国からの輸入で殆ど補っていました。石油はあと1年、食料は古米を放出しても2年くらいしか、持ちません!国民皆々様の生命を守るために、我が国は、周辺を探索する為、自衛隊と外交官を派遣、いたしました。その結果、我が国の近くには、昔の日本が存在しました。」
報道陣にどよめきが起きる。
「総理は何を言っているんだ…?」
「みなさまも、信じがたいでしょうが、事実です。そして我々はその昔の日本を調べた結果、関ヶ原の戦い直前の戦国時代の日本と判明いたしました。そして、接触をいたしました。現地へ派遣した外交官によれば、そこには徳川家康公がおられたそうです。つまるとこ、我が国は西暦1600年の世界に転移してしまったのです!」
報道陣からの猛烈なフラッシュが注がれる。
「そして、我々は国民の生命と財産を守らなければなりません。石油・食料事情を改善する為、戦国時代を終わらせる必要があります。そのため、我々は自衛隊の派遣も辞さない考えであります。では、質問どうぞ。じゃあそこの前の方。」
「日本経済報道社の相模です。戦国日本との初接触時のことをお聞かせください。また、大使館の設置等の理解は得られたのでしょうか?」
「はい。接触した時は江戸の方ではとても穏やかな接触ができたそうです。そして、大使館の設置等につきましては、そもそも国交の締結にも至っておりませんので、時期尚早であると考えます。」
などと戦国日本についての質問が相次いだ後、会見が終わった。
−首相官邸
玉沢「あーつかれたなぁ。本当に自衛隊派遣どうするのかね。」
官房長官「いっそ、家康公と国交結んだらいいんじゃないですかね?」
玉沢「たしかに、それもいいかもしれないが、その家康公に朝廷にお口添えさせてもらえないのかね」
外相「そもそも向こうじゃ、東西で一触即発みたいな状況ですからねぇ難しいんじゃないですか?」
と、呑気に話していた大臣達だったが、次の報告で空気が一変する。
コンコン。
「失礼します!石田三成公の使者が、江戸に来られ、会談を求めているそうです!」
玉沢「三成公の使者が?いま?まぁ、我が国に会談を拒否する必要はないが」
「それと、家康公がその会談に応じないでほしいと、現地の外交官経由で入ってます!」
官房長官「総理、家康公を支援するなら会談に応じない方がよろしいかと思われますが?」
玉沢「いや、会談には応じよう、話だけは聞いてみたいしな。」
外相「わかりました。そのように手配しましょう。」
日本は三成公の使者との会談に応じるのであった。