大事な大事な車ちゃん
年の瀬。エンジンオイルも変えたし、あとはバッテリーとワイパーを交換するだけ!と思っていつものガソリンスタンドへ行く。
「ATFオイルはいつ変えましたか?」
何じゃそりゃ。
「エアコンフィルターも変えた方が……」
「すみません、今、持ち合わせないのでこの次に」
ぜえぜえはあはあ。
きゅ、給付金、ほんとに出るんだろうな?こちとら非課税世帯だい!
他の人の車、ガソリン入れるついでにピカピカに磨いている。
私の車、洗車機で洗ったこと一度もない。
本当に大事にしてるの?って聞かれたらぐうの音が出ない。
来年の5月に車検があるし、七万円くらい平気で飛んでいくよね。
いっそ、手放そうかとも悩んだんだけど、まだ、仕事をするのを諦めきれないので車は保留中。
調整してもらったのか、スムーズな走りと余計な音がしなくなっていた。
帰ったら、私が書いた未来SFの小説の挿絵を描いてもらえる、と連絡があった。う、嬉しい。胸がキュッとなる。どのシーンかなあ?どんな絵かしら?
ちょうど読んでいた漫画で、主人公が伯爵から山のようなドレスを買ってもらうシーンが出てきて、私、誰かに贈り物される気持ちがしてドキドキする。数日前はどん底だったのに、こんなに気持ちが舞い上がっていいものだろうか?
心だけなら16歳の頃のままですよ〜。
当たり前だと思ってる物をもう一度見直してみようかな。車も、明日綺麗に磨こう。