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未知のウイルス

作者: Akira

未知のウイルスが発見された

日本中がパニックになった

「大丈夫なんですか、先生」

アナウンサーが不安げな声で聴いた

「わかりません。とりあえず免疫を高めるために多くの栄養を取りましょう

普通の食事では足りません

サプリを飲んだ方がいい」

「みなさん、サプリ、サプリです

未知のウイルスに対抗するにはサプリしかないとのことです」

アナウンサーが喧伝する

翌日、各地のドラッグストアからサプリが軒並みなくなったことが、ニュースになった

医者は笑う

「ははは、ちょろいもんだな

未知のウイルスなんて毎日のように発見されている

それがどんなやつかに関わらず、予防を訴えれば医療品が飛ぶように売れる

私はリベートをもらいウィンウィン

笑いが止まらんとはこのことだ」

すると突然、医者が見ていたテレビが切り替わる

「大変です。例の未知のウイルスにより、初の死者が出ました」

医者はほくそ笑む

「ほら来たぞ。ちょっくらこのウイルスの危険性を説いてくるか」

アナウンサーが続ける

「この方はウイルスを恐れるあまり、サプリの過剰摂取でなくなったようです」

医者の顔が一瞬でこわばる

「なんだと、ばかなことをしやがって

これではサプリが悪いように聞こえるではないか

そしてサプリを薦めた私は責任に問われ...」

男は泡を吹いて倒れた

その時打ちどころが悪くて死んでしまった

翌日、アナウンサーが興奮を抑えきれないといった風に、早口でまくし立てた

「大変です、例のウイルスで2人目の死者が出ました

サプリを薦めたA医師です

A医師の死因はウイルスを恐れるあまりのショック死だそうです」

テレビ局の幹部の一人がにやける

「A医師だけにうまい汁を吸わせるか

せっかくのパンデミック、大切に使わんとな」

翌日、ニュースでアナウンサーが目に涙をためて伝える

「本日、ついにウイルスを原因とした死者が出ました

Bテレビ局のC氏です

みなさんどうか、徹底的な予防をお願いします」

もうこうなっては利権もくそもない

有識者は生き残るのに必死

親は学校は子供を守るのに必死

ニュースを見ない、見てもわからない層だけが平穏な生活を続けていた

そして真っ先に死に、ますます恐怖を助長するのだ

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