Scene6 金の未来 銀の過去
世界的に夜景で有名なところはいくつかある。
ここもそのひとつではないかと私は思う。
上海である。
上海の外灘地区。英語名ではThe Bundという。
黄浦江という河に面した観光地である。大小さまざまな遊覧船が河を行き交う。
外灘は19世紀後半から20世紀前半にかけての租界地域であり、当時建設された西洋式建築が黄浦江沿いに立ち並ぶ。
クラッシックな街並みはドラマや映画のロケ地としてもよく登場する。
日本の当時の街並みとして起用されているドラマも実はある。
1㎞ほど続く古き良き建物群は今でも大切に使われている。
銀行や官庁にホテルもあり、外観は歴史的建造物を保存しながら、内装を現代風にリノベーションした世界的なブランドショップやレストランやバーも存在する。
100年以上前の石造りの建築物は夜になるとライトアップされる。
黄浦江沿いの遊歩道から眺める外灘の夜景は壮観である。
ライトが照らすレトロな建物が銀色に浮かび上がる。
そして外灘の対岸、黄浦江の向こう岸が浦東と呼ばれる地域になる。
上海を紹介する写真で必ず紹介される地区だと思う。
ロケットのようにも見える東方明珠塔(テレビ塔)。
要塞のような凝った形状の金茂大厦というビル。先端部分が煌く宝石の剣にも見える。
建設当時世界一の高さを誇った上海ワールドフィナンシャルセンター。栓抜きのように上層部に空間がある。近未来的なフォルムでスタイリッシュなビル。
恐らくこれらのビルの展望台から見下ろす夜景も素晴らしいものに違いない。
こちらの地区も夜には一帯がライトアップされる。
おもちゃ箱をひっくり返したような賑やかな夜景である。その中でも光り輝く金色。
外灘の夜景は銀色に輝くノスタルジー。
対岸の浦東の夜景は金色に輝るテクノロジー。
河をはさんでこれほど見事にレトロな夜景と近未来的な夜景とが対峙しているところもそうはないと思う。
ノスタルジックと近未来が向かい合い共存する光景。
【描写した場所】
中国・上海・外灘、浦東
※参考文献 Wikipedia
☆イメージカラー:濃藍