Scene34 星雲の入り口はミルキーホワイトの水面
メキシコ・セノーテ・イキル
鬱蒼と茂る森
上部から蔓性の植物が垂れ下がる
それら植物のスクリーンの下に広がる世界
無限とも思える空間
ぽっかりと口を開けた地界への入口
漆黒の闇
翡翠や水晶色の水面
白濁した靄
まるで図鑑で眺めた星雲だ
遥か遠く
人類が到達しえない
そこは星の住処
宇宙空間にも思えそうな
地界のキャンバスに
広がる水紋
そう、そこは水の世界
幾十にも広がり重なり
光の陰影が水面の濃淡となり
潜っていけば
地球《この星》の核へと誘うのか
宇宙の彼方へと導くのか
セノーテとはメキシコ語で「聖なる泉」
地下水の泉
そんな泉は4,000~5,000にのぼる
今度は地底から地上を眺めてみる
空から差し込む日差しは
洞窟にあたり規則的に屈折する
その光の線は面となり
アクアブルーのガラス面となる
日のあたる地底の岩はエメラルドグリーンに染まり
ミッドナイトブラックの日陰は闇に溶ける
頭上を見上げると
揺れる水面はやはりどこか宇宙の渦に見える
波もなく淡水のセノーテでは
シュノーケリングが楽しめるらしい
それは水中のダイビングなのか
宇宙のフライングなのか
そんな空間に身を任せたなら
どんな感覚に包まれるのだろう
どんな想いがよぎるのだろう
かけ離れた地中と宇宙は
意外と近い感覚を与えてくれるのかもしれない
【描写した場所】
メキシコ・ユカタン半島・セノーテイキル
※参考文献
365日 世界一周 絶景の旅 いろは出版
☆イメージカラー:紺青 (こんじょう)




