Scene32 南フランスはラベンダー色の海
フランス・プロヴァンス地方
一面紫のじゅうたん
波のようにうねり
大地を染め上げる
丘の上には一本の木
紫の大地はラベンダー
ひとつの株から放射線状にその茎をのばし
先端の紫の花は空に向かって香りを放つ
おそらく空気もその色と香りを纏う
ラベンダー色というと淡い紫を想像しがちだが
ここのラベンダー畑は濃い紫だ
アメジストのような深い紫だ
そのアメジストの畝が
果てなく広がる
畝は波となり
波は海となる
『南仏プロバンスの12か月』
以前そんな本が話題になったことがある
イギリスからプロヴァンスに移住した夫婦の生活を綴ったエッセイ
洗練された都会では味わえない
地に足をつけた暮らし
心を温める交流
心を満たす毎日
そして何より美味しそうな日常の献立に夢中になった
そんな食材を生み出す大地
大地が食物を育み
食物が人を潤し
人が大地を耕す
豊かで味わい深くこれ以上ないハッピーループ
本来食べることとは幸せなことなのだ
暮らすこととは謳うことなのだ
生きることとは喜びなのだ
色鮮やかな花々が季節を彩り
鳥たちがさえずり
とりどりのハーブが香りを放つ
アメジスト色した海
ベビーブルーの空
ラベンダー色の風
その海を航る船は
プロヴァンスの恵みを運ぶ
そよぐ
さわぐ
そしてさざめく
踊る
歌う
そして笑う
波立つ
流れる
そして凪ぐ
ここで人生を謳歌している人々のさまかもしれない
【描写した場所】
フランス・プロヴァンス地方
※参考文献
365日 世界一周 絶景の旅 いろは出版
☆イメージカラー:ラベンダー (lavender)




