Scene26 世界の中心を染める色
オーストラリア・エアーズロック
地球のへそ
地球の心臓
そんな風に形容される世界で2番目に大きい一枚岩
その高さ、335m
ビルで換算すれば100階以上の高さだ
この岩以外は荒涼たる赤い大地が見渡す限り広がっている
赤茶色の大地が広がっているそこが
赤い夕陽に照らされる夕刻の情景は圧巻だ
空が燃える
水色だった空が
砂色に
薄橙色に
そして橙色
夕陽が赤みを増やす
朱色
緋色
茜色
空の赤みが大地を覆う
褐色の岩が次々へと色を変える
茶色から赤までのすべての色素がここにある
一刻一刻
一筆一筆
刻をきざむたびに
水彩の赤の絵筆で茶の岩を染めていく
夕陽を受けるその岩はそれと混ざる赤へと衣装を纏う
一枚一枚
薄い赤のヴェールを纏うたび
赤の要素が増していく
やがて赤みを極めたその岩は
ゆっくりとその色味を落としていく
今度は夜空が岩の色を溶かしていく
紫色から藍色へ
紫紺から瑠璃紺へ
岩も
大地も
大空も
すべてが宇宙の色に染まる
オーストラリアの先住民族アボリジニの心臓
人工の照明がなにひとつない夜に
彼らの心臓も眠りにつく
夜明けに宿を出て
朝焼けとともに岩を登る
地球のへそのてっぺんの景色
ここは同じ星だろうか
あの高層ビルが林立する
私たちの母国と同じ星だろうか
先住民族アボリジニとってここは聖地だ。
祭祀などの特別の官職の者しか岩には登らない。
「わたしたちはウルル(エアーズロック)に登りません。どうかウルルに登らないでください」
現在はこんな看板が今では立てられているという。
登るか、登らないかは各々の判断に任せられることになる。
映画『世界の中心で愛をさけぶ』ではここは象徴的な場所としてここが描かれる。
想い合うふたりの高校生がここに行きたいと願い焦がれる場所として。
「世界の中心」と形容された。
間違いなくここは世界の中心だ
生きていると
小さな自分も生きていると
広大な地球も生きていると
理屈でなく
感じられる
そんな場所
変幻自在に色を変える「世界の中心」
そんな世界の中心で
自分もまた臨機応変に色を変えられるよう
意固地な色でとどまっていないよう
けれども岩のように意思をもち
大地を踏みしめる
ゆるやかに
たおやかに
しなやかに
そんなことを考えてみる
【描写した場所】
オーストラリア・ウルル・エアーズロック
☆イメージカラー:赤銅色 (しゃくどういろ)




