Scene14 恋人たちの琥珀色したドゥオモ
イタリア・フィレンツェ
蜂蜜色
アプリコットオレンジ
琥珀色
落ち着いたオレンジ系の煉瓦の屋根。
大理石の白い壁。
フィレンツェのランドマークである大聖堂。
大聖堂と洗礼堂と鐘楼の3つの建築物から構成されるサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂。
大聖堂の屋根がドーム状である。
その大聖堂を覆う円い屋根もその街の建物の屋根同様に同じ色の屋根。
見下ろすフィレンツェの街並み。
中世から変わらないような眺め。
街全体が琥珀色である。
ヨーロッパの街には、地元の建築材を用いるからか同じ材料、同じ色で形作られる建物が多い。
結果として町全体がその色に統一されることになる。
小説『冷静と情熱のあいだ』の舞台である。
作者は江國香織と辻仁成の交互連載で、10年にも及ぶあるふたりのラブストーリーを綴った。
江國香織のパートは赤い装幀で「Rosso(赤)」、辻仁成のパートは青い装幀で「Blu(青)」として単行本となる。
「Rosso」では女性目線で10年間を語り、「Blu」では男性目線からの物語になる。
2001年には映画化もされた。
フィレンツェの美しい風景が随所に描かれている。
エンヤの歌と吉俣良による音楽が主人公ふたりの10年間を彩る。
物語のハイライトはあのドゥオモ。
「フィレンツェのドゥオモは愛し合う者たちの塔」
「永遠の愛を誓う場所」
物語の冒頭で彼女が語りかける。
「いつか一緒にのぼってくれる?」
「いつ?」
「たとえば……、10年後」
10年前に交わした他愛ない約束。
あの映画を見て、小説を読んで、10年以上も経つけれど、このドゥオモを見ると思い出さずにはいられない。
何百という階段を上ってたどりつくドゥオモの屋根の上。
琥珀色の屋根に白い大理石の縁取りが花のつぼみのよう。
”花の都”フィレンツェの”花の聖母マリア大聖堂”という名前も頷ける。
永遠の愛を誓う場所で恋人たちは何を想うのだろう。
何を語るのだろう。
あのふたりのようにそこで再会を約束する恋人たちもいるのだろうか。
おそらくきっと、あの琥珀色のドゥオモには世界中の恋人たちの想いが宿っている。
【描写した場所】
イタリア・フィレンツェ |サンタ・マリア・デル・フィオーレ《花の聖母マリア》大聖堂
※参考文献
365日 世界一周 絶景の旅 いろは出版
Wikipedia
冷静と情熱のあいだ 「Rosso」 江國香織
「Blu」 辻 仁成
映画『冷静と情熱のあいだ』
☆イメージカラー:ローズピンク(rose pink)




