表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

本日ハ晴天ナリ

作者: 葵

 


 最寄りの駅から乗った学校までの直行バスを降りると目の前に久しぶりな学校が見えた。シンボルツリーの欅は若葉で赤く見え、春風に揺れている。

 去年買って貰った白蝶貝の綺麗な腕時計を見ると針は8:03を指していた。



 立ち止まっていたらブレザーの少女が横を通り過ぎて行った。ブレザーの前を閉め、スカートも短すぎず、綺麗な水色のリュックサックを背中に背負っている。ピカピカのローファーは烏色に輝き、アスファルトでステップを踏んでいた。


 ──…新入生かなぁ。


 少し羨ましい気持ちになる。止まっていた足を動かし、教室へ向かう階段に脚を載せる。ヒラヒラと揺れるスカートが、懐かしい空気が、学校に来た事を実感させた。


 教室は3階。3階まで登るのは少し辛い。だって春休み中は友達と遊ぶ時くらいしか外に出なかったから。



 少し緊張しながら新しい教室の扉を開ける。

 クラスメイトは去年と同じ。


「おはよう」


「久しぶり。おはよう! 元気だった?」



 すぐに気付いて駆け寄ってくれる友人に強ばっていた肩から力が抜ける。





 去年と違うのは窓から見える桜だけ






 本日ハ晴天ナリ 桜ハ満開






 ───さあ、最後の高校生活を始めよう。

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 情景描写が上手いなぁと感じました。 ストーリーと言える物がほぼ無い中で、なんとなく登場人物達の感情が見えるって素敵ですね。 [気になる点] こだわるならですが… 「ブレザーの前を閉め、ス…
2018/04/19 20:31 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ