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ミルネとヤミナのお買い物〜晩御飯の狂騒

最後は少しおまけ的な感じです!

ーレギムンド王国メインストリート。


様々な種族でごった返す賑やかな通り。冒険者酒場、シックなお菓子屋さん、ロマンチックな飲食店など多種多様な店が点在している。


「ねぇミルネ、これなんかどうかしら?」

「うーん攻めすぎてるかなー?」


その通りにある女性用下着の売っている店、ランジェリーショップでは八英雄の1人、ミルネと、ヤミナが買い物をしていた。

買い物をする事は別に珍しくもない二人だったがその都度人目引いてしまうためその通りは凄いことになる。

八英雄の姿を一目見ようとワラワラとそのランジェリーショップに人が集まってしまう。

店員さんは冷や汗を流し少しでも粗相の無いように振る舞わなければと震えている。


しかしそこでは密かに2人のプライベート時間を守ろうと奮闘する1人の少年がいた。


「はーい道を開けてねー」


あぁ、もう人多すぎるぞ毎回毎回。

俺は店の前に集まる人をしっしと失せさせる。

今ランジェリーショップに居るミルネとヤミナ。2人は楽しそうに会話をしながら買い物を楽しんでる。

何かと目を引いてしまう八英雄だけどプライベートの時にまで邪魔はされたくないだろ。ミルネやヤミナだって1人の女性、嫌なことは嫌だし、楽しいことには笑顔だって咲かせる。

だったらそれを守るのは英雄のお世話人、カミノギユウ、俺の仕事って訳だ。

楽しい時間は大事だしな。


俺は買い物をする2人に目を向ける。


「これ何かどうかしら?」


私はヒラヒラの黒レースの下着をミルネに見せる。結構可愛くて大胆だと思うのだけれど。

まだそういう可愛さに疎いから学ぶためにミルネを呼んで一緒に買い物に来た。

今は勝負下着、いつかの日の為に選んでおきたい1品ね。


ミルネは既に持っいてるらしいから見せもらって参考にしたかったのに見せてくれないのよ?酷いと思わない?

それに他の皆に聞いたら全員持ってるって話、後で説教ね。


「おぉー凄い良いと思うよー」


ミルネは珍しく手拍子で褒めてくれた。じゃあこれは「買い」ね。

それからは2人で色違いの物やちょっと色っぽいのも買ったり…なんだかんだその場のノリ的な感じで買って後々後悔するオチかしらねこれ。まぁいいのだけれど。


店を出ればさっきから後ろにいた人だかりは消えて只の賑やかな通りに元通りだった。これも後でお礼をしなきゃね。

でも今は知らない振りをしておきましょうか。


「ねぇミルネ!次はあそこへ行きましょ!」

「もー今日はやけにテンションが高いなー」


私はミルネの手を引っ張りながら次の店へ足を進める。

今の私はとても気分が良いの。それに私達の時間を作るために頑張ってくれてる騎士様もいるのだからうんっと楽しまないと可哀想よね?


それからはお菓子屋さん、新しく出来た飲食店、可愛い服がいっぱい売ってるお店、色んな所を回っていった。

休憩がてらのスイーツは本当に美味しかったわ。今度はみんなで来ようかしら。いや、来ましょう。この美味しさは来るべきだわ。


「それじゃーそろそろ帰ろっかー」


日も暮れてきた時間、上を見上げれば茜色が空を覆い染まり鮮やかに彩っていた。

後ろには既に騎士は居らず帰り道は少し寂しさを感じたミルネとヤミナ。


帰り道、いつもの川の通りを歩いていればクライスとミーニャが後ろから現れ一緒に帰路に着く。

他愛もない雑談でも自然と笑が溢れる。そして辿り着くのが今日の晩御飯。


シチューだろうか、いやいや辛い系だろ、甘い物があればいい、など晩御飯の論争が始まる。

しかし結局は何でもおいしいという結論に収まるのが少年への愛なのだろう。


「あ、帰ってきた。おかえりー」


丘の上、玄関にエプロンをして手を振る一人の少年。

そこからは誰が一番家に着くか、さっきの雑談から全速力で走る四人。加減をしても地面は抉れ、大地が「またかよ…」と崩れ去る。

そして「直してこないと家入れないからな!!」と少年の声が響き全力で戻しに掛かるはちゃめちゃな風景。


紅い空、鳥の泣く声。今日も八英雄と少年の家は和やかだった。



ー八英雄の晩御飯ー


「今日のカレーは一味違うな!」

「いつものとはスパイス違うからな」


結構全員が好きそうな味に寄らせたから不味くないとは思うんだけど。


「おかわり!!」


うん、好評だな。ってか今何杯だ?全員2人前くらい食べたよな?こんな食べてもらえると思ってなかったしそんな炊いてないぞ。


見れば全員お皿を突き出してまだかまだか待っている。はぁ今度もう少し大きめのやつ作ってもらうかな。


「今炊くから少し待ってろよー」


俺がキッチンに行って米を炊いているとテーブルの方でギャアギャアと声がする。


「むっ!!ミーニャ俺のリンゴ食べたな!!」

「たへてないにゃ、ひのへいにゃ」


頬を膨らませ口に何かを付けたミーニャ。明らかにミーニャ犯人だろ。何故それで嘘つくんだ。

見ればカーファの分のも無くなっていて憤怒している模様。


「たへてないにゃー!!」

「じゃあその口の物出しなさいっよ!!」


カーファはミーニャの頬を思いっきり押しつぶすと


ブフーーー!!!!


見事にリンゴを口から吹き出すミーニャ。


「汚い…」

「ばっちぃ!!私にもかかったんだけど!」


真正面に座っていたノアさんとミズハさんはモロに口からの物の口撃を受けた。

ベトベトになった顔をブンブンと振り回すノアさんに隣にいたライガさんはその粒をベチャベチャと食らう。


「おい!ちゃんと片付けて綺麗にしろよ!じゃないと作らないからな!!ミーニャ!!」

「何でミーニャだけにゃ!?」


八英雄の今日の晩御飯は少しだけうるさかった。

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