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素人だから試し書きに弁当の話でも書く

作者: 春裏 月

 市立あへがお高等学校に通う「金剛寺うかむ」は超すんばらしい生活を送っていた。

具体的な生活内容は省くとして、伝説が始まるぜ!!。


いきなりで悪いが、いつの間にかコンビニの前にいたよ!!。


「今日も腹減ったし弁当でも食うか」


うかむはそう言いながらコンビニへ入店し、「カチンコチンあったか弁当」を手に取りレジへ向かった。

うかむが店員にそれを手渡すと、店員はとっても親切に対応してくれたよ!。


「心して答えよ……、心して答えよ!!。この弁当をあたためるか……、それともあたためなぁ…あたためるか、それともあたためるか!!」


な、なんだと?!……


その店員の言葉で、うかむの心に一瞬の迷いが生じた……。

この弁当をあたためれば、もうこの弁当は「カチンコチン弁当」ではなくなってしまう……。しかしあたためなければ「あったか弁当」ではなくなってしまう……。あたためるか、あたためないか、一体俺はどちらを選べばいいというんだ……。今までの人生から見ても、これは究極の選択であった。このあたためるか否かの選択で今後の人生が全て変わると言っても過言ではない…………もちろん……根拠は一切無いが……。しかしそんな話は別として、目の前に立ちはだかるあまりにも大きすぎる問題に、うかむの手は震えていた…………。


「店員さん……、俺は…………、俺は一体どちらを選べばいいんでしょうか?!…………一体どちらを…………どちらを選べば…………」


間違った選択をしてしまう恐怖と、自分に課せられた使命の重さに、うかむは言葉を失いかけていた……。

仮に最悪の事態にならなかったとしてももうひとつの選択を選らばなかったことに後悔するかもしれない……、どちらかの選択をすることで誰かを傷つけてしまうかもしれない……、そんな思いが心にしがみつき、行動に移す勇気を妨げていた……。


そんななか、となりにいた影の薄い店長の「一言」が、俺を光の指す方へと導いてくれた……。

俺に対して店長はこう言ってくれたんだ……。



「いや、カチンコチンの弁当なんてどうやって食べるんですかお客さん」



カチンコチンの弁当なんてどうやって食べるんですか……だって?、…………そうだ……そうだよ、食べるものだったんだ弁当は!!、どうして、なんで俺はそんな当たり前のことを忘れていたんだ!!。地獄の底に飲み込まれていた泥だらけの俺の心は、全てから解放されたかのように輝きを取り戻していた……。


「すんません…………俺が…………俺が間違っていたんですね…………やっと俺は目が覚を覚ますことができました………………、俺、この弁当を…………」

「あたためる…………のじゃな?……」


店員が真剣な眼差しを向けてそう言った……。


だから今はっきりと解った……、最初から俺の答えは決まってたんだ……、弁当は食べるものであって、誰もが必ずその答えに行き着く……それは当然のことだ……。だから俺はあたためる………………だって?、バカが……、そんなのあんまりじゃねえか!!。この店に並ぶいくつもの「カチンコチンあったか弁当」たちがみんなそんな身勝手な理由で自らの魅力であるカチンコチンという財産を失わなければならないのか?、それがどんなに残酷なことなのか人間は、人類は分かっているのか?。俺にはそんなことできない……、だから俺は…………俺は…………!!




「俺は…………、あたためません」



俺は店員に殴られて死んだ。

俺はきっと「カチンコチンあったか弁当」に恨まれたんだろうな、なぜかって?、そりゃあどう考えても「カチンコチン」は欠点で、「あったか」は長所だからだろ?。







ああ…………、俺は…………残酷だったんだな。







…………、という妄想をしながら弁当を買ったうかむであった……。


「…………うわっ冷たっ!、あっためときゃよかったこの弁当……」


そう言ってうかむは、歯から血をどばどば出しながらも「カチンコチン弁当」をガリガリ頑張って食ったぜ。



ちなみに店長は影が薄すぎて消滅してしまったよ、まあ仕方ないよね影薄いから。





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