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平凡(自称)転生者の異世界生活  作者: 丘の上の大樹
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第1話 どうやら死んでしまったようです。

これが初投稿になります。生暖かい目で見て頂けるとありがたいです。

 俺の名前は和良谷一真(わらたにかずま)。17歳の高校生・・・だったんだけど。


「――おめでとうございます、あなたは選ばれました」


 ・・・・・・はい?

 どういうことだ?俺は何に選ばれたというのだろう。

 というかここ何処だ?真っ暗で何も見えないんですが。

 ?マークが頭を埋め尽くしていると、先程の声がまた周囲に響き渡る。


「よし!これ一度言ってみたかったのよねー!」


 何とも能天気だが、それでいて澄み渡る様に綺麗な、一度聞いたら忘れられぬ程に心、いや魂に残る声というか。

 そんなことを考えていると周囲が光に包まれて、次の瞬間視界が晴れる。

 そこは、何とも神秘的な・・・というか宇宙空間の様な場所だった。

 闇の中に星の光を散りばめたらこの様になるのだろうな、といった光景。

 だが、それでいて全体に神々しさがあり、美しいと感じてしまう空間である。

 中でも一層、神々しさが濃いと感じる箇所へ意識を向ける。

 そこには綺羅びやかなで豪華な、玉座の様な椅子が存在し、その前に如何にも『私偉いですよ』風の少女が佇んでいる。

 身長は160cm位だろうか、腰まで伸びた淡い赤色の髪に真紅に輝く瞳、顔は驚く程に整っており肌も透き通る様に白く、モデルみたいなスラッとした体格をしている・・・けど胸までスラッとは、少し残念だ。

 ドレスにも見える神秘的な衣装で身を包んでおり、美しいというより可愛いらしい印象を受ける。

 なるほど、どうやら目の前の人物がこの神々しいと感じさせる何かを発しているようだ、というか神様じゃないか?神様だな、うん。


「ふーん、少し失礼なことを考えてるみたいだけど、まぁいいわ。

 私の名はフェリス、あなたが言った通り!地球の人々の転生を司る神様よ!」


 ジト目をしながら見つめてきたが、腰に手を当てると共に、大仰に自己紹介を始めた。


 ・・・そうですか。


「って、ちょっと!もう少し大きなリアクションを取りなさいよ!」


 少しとか大きなとかどっちかにしてくれと思いながらリアクションを改める。


 な、なんだってー!

 

 と明らかにオーバーリアクションで心も込もってないのだが、


「そうそう、やれば出来るじゃない!」


 フィリスは嬉しそうに、えっへんとでも言うように胸を張った・・・無い胸を。

 仮にも神様がこんなにちょろくていいのか。


「わ、私はちょろくないわよ!それに成長途中なの!全部聞こえてるんだからね!」


 流石に恥ずかしいのか、俺を非難し始める。

 

 やはり考えていることは筒抜けのようだな、まぁ流れから察するにそうなんだろう。

 このフェリスという女神、口調が良いとは言えないが、何処か憎めない様な印象を受ける。

 あれ、そういえばさっき選ばれたとか何とか。


「ん?あんなの冗談よ。適当に言ってみただけ」


 適当かよ!よくわからないが、クジに当たったかのような高揚した気持ちを返せ!

 

 というか先程から体の感覚がないんだが・・・魂だけという状態なのか?何故俺はこんな場所に居るんだ?

 と、本格的に気になり始めた所で、


「そうね、じゃあ説明するわ。まずあなたがここに来た原因だけど、あなたは死んだのよ」


 フェリスは淡々と、そう告げる。

 

 あー・・・・・・何となくそんな気がしていたがやっぱりそうなのか。

 思い返せば短い人生だったなぁ、家庭仲は円満、裕福でもなければ貧乏でもなく、学校での成績は常に中間で運動はそこそこ出来たかな。

 部活には所属していない、ゲームと読書が趣味の平凡な高校生だったと思う。


 とはいえ死んだら神様に会えるんだな、これが普通なんだろうか?


「そんな訳ないじゃない、普通なら同じ世界の別の身体、

 お腹の中から生まれたばかりの生命体に魂を送るだけよ。もちろん人間のね」


 そうなのか、もしそうであれば地球の人間が死んだ後、別の生命に生まれ変われるのではないかという仮説は否定されるんだな。

 そう考えると、歴史的瞬間に今立ち会っているのでは無いかと思うが、神様と対面している時点でそんな感慨薄れていた。


「はいはい、そんなのどうでもいい話でしょ。

 それで?死因については聞きたくはないのかしら」


 うっ、それは・・・聞きたいような聞きたくないような。


「曖昧な応えね・・・まぁ後で聞かれるのも面倒だし言っちゃうわね。

 あなたは睡眠中、急性の心臓麻痺で死んだのよ。

 結構稀なケースだけど・・・どうもパッとしないわよね」


 死んだ人を前にその発言は・・・・・・って神様からしたらそんなものなのか。


「可哀想だとは思うけど諦めなさい。

 あなたにはこれからやってほしいことがあるんだから」


 フェリスは一方的に告げてくる。

 これが普通、神様と人間の立場なのだろう。

 俺はそう思いながらも思案する。


 未練はー、特に無いか。

 強いて言うなら友人や家族に別れが言えない程度だな。

 というか神様直々のお願いって・・・何だろう。


 少々不安に感じながらも次の言葉を待つ。

 すると――――


「ちょっと私の友達が管理してる世界の情勢が不安定らしいの。

 で、あなたには地球とは別の世界へ行って、私の友達を助けて欲しいのよ」


 そうですか・・・って私情じゃねーか!

 本当にそんなんでいいのか神様。

 

 フェリスは項垂れながらため息をつき、言葉を続ける。


「はぁ・・・私も思うところが無くはないわよ?でもあの世界を見ていると、

 こう、こうっ!可哀想に思えてくるのよ!あー、わかるっ!?」


 手でグニャグニャと何かを表しているようだが・・・わかるかっ!何その世界、神様に哀れまれるって相当やばいんじゃないか?俺はこれからそんな危険ともしれない世界に飛ばされるの!?


「まぁそんなに難しい話じゃないと思うわ。だから力を貸して上げて欲しいの」


 ・・・キットコトワッテモ。

 フェリスは腰に手を当て満面の笑みで言い放つ。


「ま、強制なんですけどね!」


 ですよねー!わかっていましたとも。

 そもそもここで断って、はいそうですかさようならーとなったとして、地球で新たな生命として生きていくのも気が引けるし、引き受けたけど!


「んじゃー、そういう訳で!頑張ってね♪」


 手を振り始めたかと思うと、急にフェリスから離れるように何処かへと引き寄せられる。


 え、ちょ!せめて向こうの世界について色々聞きたいんですけど!?神様!!

 フェリス様ああぁぁぁ――――



 ――――こうして俺は向こうの世界、異世界の事情を何一つ説明されぬまま送り出されるのであった。

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