マリーとトウキ
アストレア王国、この世界でも数少ない魔法学校のある、三大王国の1つだ。
アストレア王国36世国王レウス・ロト・アストレア初代勇者の血を受け継ぎ、勇者ロトの末裔として国々にその名を轟かせている
そして、この王国アストレアにある住民地、質素な家が並び、殆どの家の周りには木々があり緑が多くのどかな雰囲気が漂う。
その住民地の外れ、他の家より大きく気品のある、二階建ての家が建っている。その二階の部屋、部屋の本棚にはところ狭しと本が並び床には、本棚に収まらない本や紙が無造作に散らかっている。
その部屋の中に書物や用紙が乱雑に置かれた机、そしてその机にもたりかかり眠る少女いた。
部屋の扉が開く、その扉から1人の青年が入ってくる。
「マリー?マリー」
「う、うん・・・」
少女の肩を優しく揺すり起こす青年、少女は声を漏らしながら眠そうに起き上がる
「ん・・・トウキ?」
「ああ、また、徹夜したのか?」
青年の優しげな声に少女は目をこすりながら返答した。
「うん・・・旅であまり勉強できなかったから、遅れないようにしないとって思って」
少女の返答に軽く溜息をする青年
「・・・朝食、できたぞ」
「うん、すぐ行く」
青年が先に一階降りていき、少女は顔を洗い遅れて一階の部屋に入る。
すぐに食事ができるよう食卓には朝食が並べらていた。
まだかすかに湯気が立つ焼きたてのパン
豊富な野菜とほぐした蒸し鶏をのせたサラダ。飲みやすいよう適温に冷ましたジャガイモと刻み野菜のスープ。
献立は質素ではあるが料理の出来は料理店で出されるようなクオリティばかりで、一目で手の込んだ料理だとわかる
二人は卓につくと、いただきますと声を合わせ料理を口に運んでいく。
食事中、会話はほとんどない
部屋には食器の音だけが響く、しばらくして
青年が食べ終え、遅れて少女が食べ終わるとまた二人で、ご馳走様と声を合わせる。
青年が食器を片付け、残りの食器をまとめて少女が運ぶ、
「ありがとう」
「うん、じゃあ、また部屋で勉強してるから、何かあったら読んで」
「ああ、あとで何か持っていくよ、何か食べたいものはあるか?」
「んー?なにか甘いものがいいな」
「わかった、無理するなよ」
「うん」
そう会話をおえると、少女、マリーそのまま二階の部屋に戻り机に座り、背伸びをすると、開いた本に目を通し、ペンを動かす。
青年、トウキはマリーが部屋に戻ると、食器を慣れた手つきで洗い始めた。