釣りね…釣り、釣り釣り……そんなことよりテレビ見ねぇ?
「にーちゃん!にーちゃん!」
「んー?どったー?」
「釣りしに行こう!」
どうも前回キャラがつかみきれず変態行為にはしった十人兄妹の長男です。
妹の夏美がソファーに座っている俺の袖を引っ張りながら跳び跳ねている。
可愛い妹の為なので行きたいのだが、残念今から始まる『集まれ!全国の妹!』という神聖なテレビ番組が始まるから無理だ、というより釣り道具が家にはない。
「というわけで却下だ夏美」
「うぇぇ!行ーこーうーよー!にーちゃん!」
「ダメなものはダメだ」
「…ちぇ…にーちゃんと釣り楽しみだったのに…」
「というわけでやって来ましたみんな大好き海です!」
「うわー!すごいよにーちゃん!でっかい!海でけー!」
「あの…何で私もいるの?」
というわけでやって来ました兄です。
え?テレビ番組はどうしたのかって?
ハッ、テレビごときが妹に勝てるわけがない!
「そりゃ、ツッコミ役の紫織がいなきゃ収集がつかなくなるからな!」
「そんなに胸をはって言うことじゃないよ!?」
「にーちゃん!釣り!釣りしよー!」
「よし、じゃぁこの釣竿に餌をつけて海に投げ入れるんだ」
「はーい!」
夏美は俺から釣竿を受けとるとタタタッと駆けていった。
うむ、カワユイ
「ねぇお兄ちゃん」
「ん?お前も釣りやるか?竿ならまだあるぞ、ほれ」
「その釣竿どこから出したの!?というか家には釣竿なんてなかったよね!?」
「にーちゃん!ねーちゃん!早く来いよー!」
「おー今行くぞー!ほら、行くぞ紫織」
「ふぇ!?」
俺は紫織を抱き抱えて夏美のもとに向かった。
「遅いぞにーちゃん、あー!ねーちゃん!それ楽しそーだな!私もやりたい!」
「おう!やってやるぞ、ほらおいで夏美」
「わーい!」
夏美は釣竿を投げ捨て俺に飛び付いてきた。
その際に紫織を地面におき無事夏美をキャッチ
「もぅ!お兄ちゃん!急におろさないでよ!」
「にーちゃんあったかぁい」
その時、釣竿が動いた
「紫織!竿をひくんだ!大物だぞ!」
「え、あ、うん」
紫織が地面から竿を拾った刹那、竿が大きくしなった。
「ちょ、お兄ちゃん手伝ってよぉ!」
「ほら、夏美あーん」
「あーん!」
「こら、そこぉーーー!なにイチャついとるかぁ!手伝えーー!」
「「えー」」
「えーじゃないの!手伝ってよお兄ちゃぁん」
少し涙めの紫織。
萌えました。
「萌えだな、夏美」
「萌えだ!」
「いい加減手伝えぇーーーー!」
紫織が思いっきり腕を振り上げた。
そして水面からは大きな黒い影が飛び出し地面に叩きつけられた……
「「「……。」」」
なんというか十メートルぐらいの魚が釣れました。