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かごめ かごめ

作者:
掲載日:2006/04/23




『籠女 籠女』



ある一人の女がいた。その女の腹の中には、小さな赤ん坊がいた。女は嬉しくて、嬉しくて堪らなかった。

だから、『この子は私の可愛い子。この子は私の宝物。この子は私の愛しい子・・・』

そう言っていた。呪文を唱えるように、そっと。





『籠の中の鳥は』



赤ん坊は時が経つにつれて、少しずつ大きくなっていった。女はその成長を喜び、また、呪文のように言い出した。

『この子は私の可愛い子。この子は私の宝物。この子は私の愛しい子・・・』





『いつ いつ 出やう』



赤ん坊はもっと大きくなっていった。女の顔には一筋の涙が頬を伝う。

『私の愛しい子が、もうすぐ産まれる。私の宝物が、もう少しで・・・』





『夜明けの晩に』



赤ん坊は夜明けに産まれた。女はぐったりとしていたが、赤ん坊の顔を見ようと、疲れきった身体を起こし、赤ん坊の側へ――――そして、赤ん坊の顔を覗きこんだ。

けど、赤ん坊はこの世界にはいなかった・・・・。





『鶴と亀が滑った』



女の頬を涙が伝う。それは、喜びでも、嬉しさでもない。悲しみのもの。

鶴と亀・・・

幸せの象徴である。

女は泣き叫んだ。声が枯れるくらい泣き続けた。

『この子はいらない。私の子じゃない・・・』

そういいながら、土の奥深くに赤ん坊を埋めた。

冷たい空気が肌に染み込んできた。





『後ろの正面 だぁーれ?』



何年か経ち、赤ん坊は土の中で腐っていった。今はもう、肉体などどこにもない。

あるものは、赤ん坊の遺骨だけ・・・・。


女は山へと出かけていた。木の実を取りに、山の奥へと進んでいく。

ふと足を止める。誰かが後ろにいる。そんな感じがしてしかたなかった。


家を出てから、ずっとそんな感じがしていた。

女はそっと後ろを振り向いた。


後ろには、あの赤ん坊が女を見ていた。

嘲笑いながら、憎しみの念を込めて・・・・。


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― 新着の感想 ―
[一言] 短文の割に飛躍がありすぎる。これってほんとにほんとですか。
2008/05/22 11:07 いちかわ   優
[一言] 皆さんが言ってるように少しわかりにくい箇所がありましたが、怖さは伝わりました。
[一言] 解釈としては面白かったです。 でも皆さんのおっしゃる通りちょっと分かりずらいです。 生まれた子供は異形の者だったのでしょうか? その辺りの説明があれば分かりやすかったかもしれません。
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