巡礼の旅へ
ダガルプ教の布教を進める為に、ダガルプ神殿の周りの町を回って、井戸に指を落とした。
ダガルプ神殿の周りに、移住者が増えて、産業が増えた。
私は、子供用の椅子に座らされている。
夕食の席に呼ばれ、ドレスコードという名の拷問が始まった。
お風呂を強要されて、新品のデッキブラシで、体を洗われ。髪は、湯船に浮きながら、梳かされた。
貴族が使う洗剤が気になるが、2時間で綺麗に生まれ変わった。
ボサボサだった髪が、まとまりを取り戻した。
髪も、幾分が伸びて。お尻を隠すほどだ。
膝上までのドロワーズを履を履き。カリナフお下がりのブルーのドレスが渡され。
髪は、綺麗に乾いていなかったが。
夕食の時間になった。
綺麗になった髪の毛を、2人は触りたがっていた。
お昼と同様に、ベールと手袋で露出を控え。
ギリギリまで、隠された。
「カリナフ、そちらの小さい子は、どなたかな」
ターランド伯爵が、食事の前に聞いた。
母親のマルーリは、薄々気付いているようだ。
「お父様、お母様。決して触れてはなりません。特に、お母様は、席を立たないで下さい」
「えぇ、分かりました。自重します」
マルーリは、スカートを『キュッ』と握りしめ。
ターランド伯爵は、嫌な感じが過った。
「それでは、絶対に触れては行けないお方、使徒様です」
マルーリは、一瞬立ち上がり。座り直した。
「カリナフ、使徒様の髪を、乾かれてないのですか」
「はい。お母様、触ることができませんので、お許し下さい」
「髪の毛も触らないのですか」
「束ねる事も、結い上げる事もなりません」
化け物が、一人増えている。
いや、ラスボスだ。彼女の周りの空気が違って見える。空気の歪みだ、光を屈折させているんだ。
私がこの世界に飛ばされたのは、この魔王を倒す事なのだな。
勝てないと思うぞ。レベルが違い過ぎる。
私が、カパード並みに力が有ったとしても、無理だと思う。
「ドレスはどうしているの」
「まぁ、自分で着ています」
「使徒様は、自分で服を着る事が出来るのですか。残念」
「触れる事の出来ないもどかしさ。それでも良いの。ガリフナ」
「大丈夫だと思います。厚手の布を通せば、触れることは可能ですし。徐々に、生地を薄くしたら宜しいのです」
「愛ですか」
「愛です」
何故か、即答するガリフナ。
ガリフナは、使徒様がいて、サライテとマルーリの視線を受けることがなくなった。
いや。進化しようとしている。6歳にして。
『年は、関係ありません。ナンセンスです』
「それでは、ダガルプ教のお布施を少し増やしましょうか。それで、ドレスの採寸はどうするのです。測れないでしょ」
「その件ですが、私の古いドレスを数点、譲ろうと思います。宜しいですね、サライテ。お母様も」
「いけません。アレは、大事に保管すべきです。新調して、増やしましょう。いや、別で、増やすべきです」
「サライテ、新調しようにも、採寸が出来ないと、言っているのですよ」
「そうです。ドレスを数点失いますが、使徒様の使用済みドロワーズを、差し上げますので。お釣りが来ると思いますが」
「有り難くちょ。丁重に処理させて頂きます。異論ありません」
「宜しい。サライテには、私の側にいてもらい。共に神殿の奥で、生活をして頂きます。異論は、ありませんね」
「有難うございます。一生ついて行きます」
こうして、ショタの夕食会が終わり。
私は、部屋に戻されて、眠りについた。
翌朝、ダガルプ教の司祭たちが、ターランド城に訪れた。
「使徒様を、神殿に連れ戻したいのですが。お話出来ますか」
司祭たちは、入り口近くの部屋に案内されて、2時間ほど経過して。私は、玄関へ到着した。
「使徒様、お初にお目にかかります、ターラントの大聖堂で、司教を務めさせていただいています、ヤーゴンドと申します。ダガルプ神殿にお戻りなるように、伝えて欲しいと、グマーザラー14世大司教が、言っておられます」
「駄目です。この地に疫病が蔓延するかもしれないのです。多くの民が、亡くなるかもしれないのですよ。大司教は、『放っておけ』と言っているのですか。ダガルプ教の民ですよ」
「何とも、お答えしかねます。ですが、使徒様にもしもの事が有ったら、ダガルプ教の大司教は、使徒様に、何をさせているのか、抗議が止まなくなります。ここは、ダガルプ教の為にも、お戻り願えませんか」
「問題無い。私に万が一は無い。有るとすれば、同行する者達だ。私を庇おうと、盾になりかねない。邪魔な存在だ、下げて欲しい」
「そうは行きません。使徒様のお体に、傷が付いたとあれば、ダガルプ教の落ち度となります。ここは、一度、ダガルプ神殿へお戻り願えませんか」
「くどい。分からずや共。寝ておれ」
私は、手をかざして、『眠れ』と唱えた。
『作戦失敗だ』
説得したら、服が貰えると思ったんだが。神殿へ戻されそうになるとは。
私は、ドレスのまま、外へ出ようとすると。
カパードが、待機していた。
「使徒様、何方に行かれるのですか」
「時計回りに、ナガールッツ子爵領へと向かう予定だ。付いてくるなよ」
「お気おつけて、いってらっしゃいませ」
私は、そのまま、噴水の傍を通り、行き届いた庭を見ながら、ターランド家を後にしようとしていた。
「使徒様、ずるいですよ。お一人で旅を続けるなんて。ダガルプ神殿にお世話になるのに、使徒様が居られないのでは、意味がありません。お供させて下さい」
カリナフ嬢が、馬車の窓の外に身を乗り出して叫んでいる。
「使徒様のお気持ちは、分かりました。邪魔をいたしませんので、お供だけさせていただきます。宜しいですね」
また、馬車を走らせながら。カパードのムチが飛んできた。
次は、御者の横に座らされた。
「カパード、止めなさい。使徒様を、雑に扱ってはなりません。門を出て、しばらくしたら、車内に移すのですよ。分かりましたか」
ターランドの町は、比較的ゆっくり馬車を走らせ。私も、髪の毛を隠さず、カパードの横で大人しくしていた。
「馬車の方が早く走り。使徒様の仕事も、早く片付きますので、私たちの動向を許して下さい」
「衛兵、門を開けよ。ターランド伯爵家の馬車だぞ」
ターランド伯爵家専用の扉から門を抜けて、城の外に出た。
カリナフ嬢は、馬車を止めるように言い。
私を、車内に異動させた。
「ナガールッツ子爵領へと向かうのですね。疫病の根源は、『婚約の義』が、行われた遺跡ですか」
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