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キャッチボール

 とある公園で待ち合わせをした二人。

「高校卒業以来以来だね。久しぶり。こんな公園に呼び出してどうしたの?」

「久しぶり。ちょっとキャッチボール付き合って。」

そう言いながら彼はグローブを取り出しこっちに投げた。

「急にどうしたの?」

「いいからいいから。」

そう言うと軽い山なりのボールをこっちに向かって投げた。

「変なの…。でも高校でも全然話さなかったよね。」

「そうだな。」

「話しかけても全然反応してくれなかったし寂しかったんだよ。」

「そうか…。悪かったな。」

「あたしあなたに何かした?」

「いや、別に。」

「別にで無視されたら堪らないよ。ほんとに何かあったんなら教えてよ。」

飛んできたボールをキャッチして私は言った。

「無視してた訳じゃないんだよ。こっちにも事情があったんだ。」

「それは教えてくれないの?」

「…。」

「君はいつもそうだよね。いつも一人で抱え込んで…。」

私は彼に向かって強めにボールを投げた。

「ごめん。」

「なんで相談しないの?」

「だって…。上手く伝えられる自信がないんだ。」

「上手く伝える自信?」

軽い山なりのボールをキャッチする。

「うん。相手のことを考えて話しても結局違う意味で捉えられて相手を怒らせちゃうこと多いから。だったら余計なこと言わないほうがお互いの為だと思う。」

「あなたは本気でそう考えてるの?」

私はボールを強く握りしめた。

「本気だよ。だから君とももっと話したかったけど…。君は友達が多かったから俺のせいで場を壊しちゃ悪いと思って。」

「あたしは寂しかったよ。急に話しかけてもそっけないし、一緒に帰ろうとしてもすぐ帰っちゃうし…。嫌われたのかと思ったよ。」

そう言いながら一番力を込めて彼にボールを投げた。

「ごめん。」

ボールはグローブを弾き後ろに転がった。

「全部勝手に自分で決めつけて判断しないでよ!言い方間違えて誤解することもあるかもしれないけど話あえばわかるかもしれないじゃん。」

「うん。」

「約束して?もう勝手な思い込みで一人で離れないで?」

「わかった。」

「約束だよ?破ったらもうキャッチボールしてあげないからね!」

「わかった。」

そう言いながら彼はボールを拾ってこちらを振り返った。

「これからは普通に話しかけてくれる?」

彼はボールを拾い振り返った。

「ああ、ありがとう。改めてよろしくな。」

そこには仲の良かった頃の彼の笑顔があった。

また優しい山なりのボールが飛んできた。

「じゃあ、明日学食奢ってね?それで今までのこと許してあげる。」

私は照れくさくなり目を逸らしながら彼に向かってボールを投げた。

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