表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

つれづれな詩たち

濃淡

作者: 風蘭

指先で崩れ落ちる

言葉の残骸を握り込んで

何ごともないように笑うことに慣れる

大人になることは

涙も痛みも

等しく覆い隠すこと


気付いたらひとりで立っていた

真っ黒な海辺

この世界はいつだって墨の濃淡みたいで

私にはもう

空の青も海の青も分からない


指先で崩れ落ちる

思いの残骸を握り込んで

何ごともないように笑うことに慣れる

生きていくことは

喜びも苦しみも

区別なく捨てること


誰かに丸めて捨てられた

紙屑を踏みしめて歩く

誰かの痛みなんて知らないと

自分の痛みさえ無視して

世界を塗りつぶす


失くしていくことを

惜しむ気持ちさえ忘れたふりで

気付いたら真っ黒な海辺

ぼんやりと座ってた

頬を伝う涙の温度さえ

今はもう分からない


指先で崩れ落ちる

言葉の残骸を握り込んで

何ごともないように笑うことに慣れる

この世界はいつだって墨の濃淡みたいで

私にはもう

空の青も海の青も分からない


気付いたらひとりで立っていた

真っ黒な海辺

ただ風の音だけが聞こえる

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ