覚えとるよな?
「なぁ、おたく、覚えとるよな? わしが言うたこつ」
えぇ、えぇ。
もちろん、わかっておりますとも。
かと言って、今後の教訓にするか田舎、おっと失礼。否かという点につきましては、お相撲さんがプロレスをするようなもの、つまり、土俵が違う、とでも申しましょうか。お相撲詳しくないですけども。
「──ええ加減にせんと、戻れんごつなるで」
門限を過ぎたこどもを叱るよりも、厳しい声でした。そりゃそうでしょうね。
空気? そんなもん読めてたら、警察は要りません。あ、だからこんなことなってんのか。なるほどです。
「これ以上話してん無駄や。おい、連れてけ」
「アハハッ!」
はい、どうぞお好きなように。私は、逃げも隠れもしませんので。
カーテンの閉ざされた薄暗い車内には、私を含めて、ひぃ、ふぅ……8人。おぉ、今日もみなさんおそろいですね。修学旅行みたいで、楽しいです。
内訳にして、男性2名、女性6名。俯く人、すすり泣く人と、多種多様です。ケラケラ笑っているのは、私だけですけども。
だって、可笑しいんですもん。ほんと、楽しくて、たのしくって。
「おまわりさんこそ、無駄なことはやめぇや。何度やって戻ってくるで、うちはなぁ!」
愉快愉快、あぁやめられない!
──私は何度でも、この『罪』を犯す。
あなたもいつか、きっと、ね。