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極氷姫の猟犬  作者: 骸崎 ミウ
第7章
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密林の乱〜終

お久しぶりです




狂犬の拳が森の戦士の顔面にめり込んだ。



轟音にも似た歓声が一時的にぴたりと止み、丸太みたいな太さの骨付き肉を奪い合っていた狂犬の飼い主と狂犬の叔母は動きを止め、賭けで負け続きだった九尾はその日1番の喜びの表情を浮かべた。



森の戦士はゆっくりと後方へと倒れていき、地響きと砂埃を立ち上げて地面に沈み、動かなくなった。



青痣だらけで傷だらけで服など大事な部品を隠すしか意味を為してないほとんどボロ切れの状態の狂犬(理玖)は母に似たドヤ顔で両腕を天に突き上げた。



その瞬間、割れんばかりの歓声と咆哮が森中に響き渡った。



数多の戦士を己が肉体1つで全て撃ち倒した狂犬(理玖)は母と同じく森の長に君臨したのであった。





***





「いや〜、まさか猿の天下一武○会に4日費やされるとは思わなかったよ」




愛莉珠はそう言いながら4日ぶっ通しの激戦で眠りこけている理玖を背負って列車がある方へ移動していた。




「昔よりかは短くなっていますよ。幸子の時は1対多数で10日ほど続きましたから」




その隣にはスターフルーツを抱えるだけ抱えた夜奈が食べ歩きしながら歩いており、更にその後ろには大量の果物が入った籠を背負った今にもスキップを始めそうな雰囲気の神崎がいた。




「……………その時の副長って契約前だったんだよね?」



「そうですよ。あの子はフィジカルが凄まじかったので」



「だからって素手で岩を粉砕したり、四つ足になって激流の水面をダッシュで駆け抜けるのはヤバかったがの」



「もはや化け物でしょそれ……。ていうか神崎もここに住んでたの?」



「わっちは昔ここの森を管理していた烏咲家の当主の娘じゃよ。娘と言っても無理矢理孕まされてできた不義の子じゃ。孕み袋にされそうになって逃げ出して森でサバイバルしておった夜奈と幸子に出会ったんじゃ」



「そもそも烏咲家を潰したのはあそこが澪を連れ戻そうと探していたからです。あれは見ものでした。降り注ぐ魔法の流星に逃げ惑う蛆虫共に森の戦士の雄叫びに」



「アンタら昔から自由過ぎない?」




そんな会話を続けていると3人は列車が止まっている場所に到着した。



4日ほどあれば修復班の到着し列車と線路などの修復は魔術込みで直ぐに出来てしまう。既に隊員はお互いに協力して物資の搬入など行っていた。



………ちなみに愛莉珠は定期的に列車の方に戻って様子を見にきていたのだが、中央では高級品の密林産果物を大量に食べていた事がバレて恨めがましい視線を受けた。




「そういやさ。結局、線路爆破した猿ってどうなったんかな?」



「あれは実力と知恵を身に付け始めた若手の暴走だったみたいで既に対処済みみたいです。こういった事は長老会で取り締まっていますので」



「……………マジで猿の王国だよね。あそこ」



「弱肉強食の成り上がり式なので、むしろ人間界よりも秩序は保たれています」



「猿に負ける人間って……」




愛莉珠はそうぼやきながら列車の中に入っていき、眠っている理玖を毛布で包むと自分の座席の横に寝かせた。



彼女の装備である軍服はボロ切れになっているが一応予備の軍服も荷物の中に入っている。



…………後日、そのボロ切れになった軍服を見た製作者の技術部門長が汚い悲鳴を上げて気絶したのは別の話である。




「さて、色々と用事は済みましたので支部への挨拶周りを再開してください」




列車が発車する直前に夜奈は愛莉珠に向かってそう言った。




「もちろんするさ。………というかさ、本当に北監獄まで行かなきゃダメ?」



「…………正直言って行かせたくありませんが、規則ですのでお願いします」



「まぁ、わかったよ。ほんじゃ、またしばらくしたら帰るからねぇ。休暇申請受理してよ?」



「検討しましょう」




そうして特戦隊一行を乗せた列車は本来の目的地である東支部へと向かって行った。

最近、スランプ気味で思う様に書けません………

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― 新着の感想 ―
[一言] 4日も戦ってたのかよ(٥↼_↼) 猿達ばっか目立ってるなけど理玖の魔犬達もよく大人しくしてたな(ʘᗩʘ’)
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