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極氷姫の猟犬  作者: 骸崎 ミウ
第3章
46/181

姫の猟犬は寂しがり屋〜1

※注意 後半が色々下品です。






「………理玖坊、最近元気なくてのぉ。そろそろマズい事になるやもしれん」




ユグドラシルの開発区域のとある一角。そこの1番内壁が頑丈な開発ラボにて神崎はそうポツリと呟いた。




「…………ん?どういう事やそれ。というかなんでここにおるんや」




神崎の呟きにレイチェルは作業の手を止めてそう聞いた。




「暇なのと経過確認じゃ。…………まぁ、理玖坊は寂しがり屋じゃからの。表情豊かでは無いが尻尾と耳の毛並みで丸わかりじゃ」



「なるほど……。そういえば、いつ帰ってくるんや?」



「確か………何事も無ければ3日後じゃったな」



「ほうほう、わかっt───ってなんやこの音」




2人がそんなことを話していると外からやけに耳に残る甲高い音が聞こえてきた。




「………あぁ。どうやらわっちのバディが帰ってきたみたいじゃ。彼奴は魔術使うと凄まじい速さになるからの」




そう言う神崎はその横に垂れた大きな狐耳を後ろの方に絞って少し嫌そうにしていた。おそらくは先程の甲高い音が少々耳にきたからであろう。




「そういや、局長の魔術ってなんや?ウチ炎くらいしか知らんけど」



「彼奴のもう1つの魔術は光じゃよ。ついでに言っておくが他のもんが炎だと思っとる彼奴の魔術は実際には岩漿魔法じゃよ」



「ふ〜〜ん、光と岩漿(がんしょう)だったんか……ってそれどっちも板にしたら最高ランク確定のめっちゃ希少属性やないか」




岩漿(がんしょう)はマグマの別名であり、岩漿魔法とはその名の通りマグマを操る事ができる火属性と岩属性の複合魔法である。極めれば自身の身体をマグマの如く高熱化させたり、周りの地形をマグマ地帯に変化させる事も可能である。ただし、常に自身の身体を魔力で保護しなければ自分が焼け死んでしまう危険性もある使い手を選ぶ魔法である。



光魔法は一般的に想像される光=治癒ではなく、波であると同時に粒子である光を操るというもの。極めれば魔力障壁を貫通するレーザーや光の様な高速移動や光の速さでの打撃など某黄色の海軍大将になれる。ただし、高速移動や攻撃は完全に使用者本人の身体能力に依存する為、ある程度鍛えていないとかえって弱くなる魔法である。



そんな一癖も二癖もある魔法の使い手である夜奈は基本的に攻撃は岩漿魔法を移動は光魔法を使っている。



とそこで神崎が持っている通信機が鳴り出した。




「失礼………なんじゃ夜奈?………あー、今は第三棟の405開発ラボじゃよ。…………そうじゃそうじゃ。1番奥の」




神崎がそこまで言うとラボの入り口が開き、そこには昨日まで北監獄にいた夜奈がいた。




「理玖のメイン武器の製作中ですか?」




夜奈はラボに入るなり2人にそう聞いた。




「そうや。理玖ちゃんの武器はこの2丁大型オートマチック式拳銃や。とりあえず理玖のスペックを検査して色々やっとた結果、10キロオーバーで口径が14mmの電磁加速と魔力加速付与のバケモンが出来たで。こんな対物ライフルよりもおっかないやつを片手でバカスカ撃っとたら腕がぐちゃぐちゃ身体がおじゃんや」




そう言ってレイチェルはあらかた調整が終わった銃身に狼の顎から弾が吐き出されて見えるデザインが施された全長が40センチもある大型自動式拳銃を置いた。



見るからに普人が扱える様には見えないそれを夜奈が試しに持つと夜奈の手にずっしりと重厚感のある感触が伝わってくる。それもそうである。この銃1丁で2リットルのペットボトル約5本の重さがあるからである。…………しかも弾が入っていない状態で。




「理玖坊はそれを普通に扱っておった。やはり、頑丈さと筋力は血筋譲りじゃな」



「………確かにそうですね。幸子も3メートルはある大剣を振り回してましたから。あとは小さかった頃に森に行って猪を殴り殺して引き摺ってきて丸焼きにして一緒に食べてました」



「………………局長ってアマゾネスやったんか?」




レイチェルがそうボソッと呟くと夜奈は静かに背中に背負っていた大太刀を抜いて無造作に斬りつけた。




「おわちゃああッ?!?!危ないやろッ!?ちょっと髪の毛切れたで?!」



「余計なことを言ったからです」



「………そういえば夜奈。礼華はどうしたんじゃ?」



「後処理押しつけて置いてきました。何もなければ3日後に帰還してきます」




夜奈がさらっと言った言葉に2人はなんとも言えない表情になった。







***






〜side愛莉珠






…………後始末押しつけやがって。あのババァいつか絶対ブッ殺す。




「アリスゥゥゥゥ!!!貴様よくも私の豚供の金○をデストロイしてくれたなァァァッ!?!?せっかく私が楽しみにしてた重犯者の金○を潰して再生して金○潰すの金○千本スマッシュができないじゃないかア゛ァ゛ッ?!?!」



「金○金○うっさいわサディストビッチッ!!アンタが早く来なかったからあの変態集団がアグレッシブになっただろうがッ!」




とりあえず隣から大音量で聞こえるキンキン声の主に僕は言い返す。



腰まで伸びた縦ドリルロールの黒髪に若干吊り目気味の灼眼が嵌め込まれた顔は僕から見ても美人と思えるもの。視線を下に移せば全体的に無駄な贅肉が無く、これでもかとデカデカ育っている巨乳にコルセット要らずのキュッと引き締まったくびれは中々の物。



そんな男ならノックアウトしそうな体型を包み込むのはぴちぴちのレザーベストに際どいV字加工がされたホットパンツに黒タイツにイカつい棘だらけのヒール。そして、肩にはゴテゴテのファーが付いている裾が地面スレスレまでにデカいコートを羽織っている。



コイツこそが『ラビュリンス』の最高責任者で監獄長の『雷鞭女帝』シュヴァルツ・ニューゲートである。




「豚供の調教は場の空気が最高潮に達した時に行うのが鉄則ッ!!この私のハウンドがこの私の為にした事に文句があるのかァァ?!」



「ありまくだボケッ!!」




そんなことを宣うニューゲートに僕は頭が痛くなる。



ちなみにコイツのハウンドは現在、彼女の手によって服をひん剥かれて全裸にさせられた後、彼女のメイン武器である蛇腹剣鞭で連打されて絶頂して足元で恍惚な表情を浮かべて陸揚げされた魚みたいにビクンッビクンッしている。



……………幾つもの小国の経済を壊滅させてきた元カルト宗教家がこうも堕ちるもんなのかと僕は思った。




「ところアリス。貴様、ようやくハウンドを手に入れたそうじゃないか。調教したか?手篭めにしたか?してないなら早くしろ!」



「僕は君と違って時間をかけて身も心もドロドロにして僕無しじゃ生きていけない様にしていく予定なんだよ。今はその最終段階さ」



「堕とすならば膜破ってしまえばいいッ!!己が《ピーーー》でッ!!現に私も生やして堕としたさッ!」



「いやあるわけないでしょ。というかもうちょっとオブラートに言い───ちょっと待て今なんて言った?」




相変わらず声がデカいニューゲートが今とんでもないこと言った。"生やして堕とした"?………マジで言ってんのコイツ?頭がおかしい奴だとはいつも思っていたが、頭のネジがダース単位でぶっ飛んでるんじゃないか?




「《ピーーー》を生やすと言ったのだッ!ここの看守長が開発した魔法薬を使ってだなぁ!私も定期的に使用して楽しませてもらっている!副作用は強いて言えば思考が男寄りになるぐらいだ!!」



「その薬僕にもちょうだい。金は言い値で払うから」



ニューゲートはそう言いながら胸の谷間から1つの小瓶を取り出して誇らしげな表情を浮かべた。



なんだその夢のような薬は。その薬があればリクを味わい尽くす事ができるじゃないか!それに僕は元からタチのつもりだから問題無し。




「金はいらんッ!ただし!私の質問に答えて私が納得できたら渡してやろう!」



「何を聞くのさ」



「なぁにちょっとした事だ。ではやるぞ?貴様の目の前には違反を犯した貴様のハウンドがいる。さぁ、お前はどうする?ちなみに違反内容は自由でこの薬を飲んでいるものとする」




ニューゲートは僕を試すかの様にそう聞いた。



リクが粗相をしたら……………とりあえずふと1度だけ見たプルプルと涙目で怯えるリクの顔が思い浮かんだ。あの顔はすんごく可愛かったなぁ。




「まずこの前アンタの調教部屋を参考にして作った部屋に監禁して裸にして両手足を拘束した後に半日ぐらい玩具責めする。泣きじゃくって懇願してもやめないよ。徹底的に虐め抜く。それでドロドロになったところで優しく丁重にいただく。頭を撫でて名前を呼んでキスをしながら」



「飴と鞭か………いいだろう!持ってけッ!!」




そうして僕はニューゲートから夜を鮮やかに彩る夢のお薬を手に入れた。

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― 新着の感想 ―
[一言] なんだかぁ〜気になるねぇ〜
[一言] なんやかんやでも理玖も寂しがり屋な所がペットそっくり行動だな(ʘᗩʘ’) これで真艫な飼い主なら構い倒すだけで済む話だけど肝心の飼い主がな〜(´-﹏-`;) その飼い主も前回危惧したやりす…
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