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極氷姫の猟犬  作者: 骸崎 ミウ
第1章
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プロローグ

月の様な人だと最初に見た時、そう思った。




「──やっと見つけた。あぁ……長かった、ほんとに長かった……」




その人は俺に会うや否や絹の様な長い銀髪を振りまけて、その端正な顔には満点の喜びを付けていた。



辺りは瓦礫で埋もれ、悲鳴と人外の化け物の咆哮と戦闘の音が響き渡っている。



はっきり言って場違いにも程がある。




「さぁ、少年!手を出して!この僕と契約しよう!僕は君をずっと待っていたんだよ!僕の相棒(バディ)!」




これが俺の人生を大きく変える出来事だった。




***



20X X年、突如世界各地に降り注いだ黒い隕石群により発生した異形の怪物により世界は大きく変わった。



隕石群より現れた怪物は人間を積極的に襲った。従来の銃火器では歯が立たず、軍隊もなす術なく蹂躙された。



その異形の怪物を生み出した災害は『天災』と呼ばれ、その怪物は『ボイド』と呼ばれる様になった。



多数の命が失われ、数多の人が露頭に迷い、世界は混迷を極めた。



人類はあらゆる手を尽くして、とにかく出来るだけの対処が施され、世界がようやく落ち着いたのはボイド出現から約十数年の月日が過ぎた頃だった。



その十数年の月日の中で人類はボイドに対抗すべく対ボイド用兵器を生み出した。



その名は──『戦乙女(ヴァルキリー)』。



戦乙女(ヴァルキリー)は人を素体とし、黒い隕石群から採取した特殊鉱物と更に近年存在が判明した魔術を盛り込むことで通常兵器では倒しきれないボイドを撃破すること可能となった者の事だ。



戦乙女(ヴァルキリー)達は『テルゼウス』と呼ばれるボイド殲滅と人類の救済を目的とした組織及び、その組織が建設した防衛施設によって管理されている。



しかし、戦乙女(ヴァルキリー)だけではボイドからの侵攻を食い止めるには足りなかった。戦乙女(ヴァルキリー)は強力ではあるが数が少なかったのだ。



そんな時に突如として現れたのが『ビースト』と呼ばれる新人類だった。



『ビースト』は世界各地に降り注いだ黒い隕石群に影響され遺伝子的に突然変異を引き起こした者達のことで特徴としては身体に動物的特徴……尾や角や獣耳が生えていると言ったものだ。



ビーストは原因は不明だが戦乙女(ヴァルキリー)と魔術契約を結ぶと双方の能力を最大まで引き出すことができる。



ビーストと戦乙女(ヴァルキリー)の魔術契約は誰でもいいというわけではなく、相棒(バディ)となるビーストは戦乙女(ヴァルキリー)自身が己が直感で決める。



ある者は心臓が激しく鼓動したと、またある者は何かが吸い寄せられるような感覚がしたと言った。



相棒を得た戦乙女(ヴァルキリー)は全員感じ方は違うが全ての者が一目でその人物が自身の相棒だと分かったとそう言った。



言葉で言い表すことはとても難しいが、会えば分かる。



相棒を得た者達は皆一様にそう口を揃えた。


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