・パングラムについてのパングラム。
パングラム作りの難しさはなんと言っても全ての文字を余す事なく使い、かつ、ダブらせる事もなく文章を作るところにあります。多少の助詞が抜けて片言に聞こえる文章になりがちですが、そこよりも先ほど言った点をなんとかする方が大変です。
作り始めはいいのですが途中から、「この文字が使いたいのにすでに使っちゃっている……」と「この文字だけ余ってるけどどうしても使い道が思いつかない……」の板挟みにあって、それはもう細き道を歩いているが如く、どっちに進もうか悩みに悩み、一度作った文を崩して再構築しようかとか、いっそのこと初めから作り直そうかとか結構悩むのです。
が、実はこれ抜け道というか技があって、ここまでお読みになった読者の皆さんならなんとなく察していることとは思うのですが、私はパングラムの前にある程度設定の説明をしてしまって、パングラムが陥りがちな説明不足を補っているのです。パングラム作品だけ読んでも意味を通じるようにしているつもりですが、そうすることで理解しやすくもなりますし、またその方が楽しめると思うのです。せっかく作ったので「読めない」なんて言わないでくださいね。(それとこの「小説家になろう」に投稿の際、200文字以上ないと投稿できないという条件があるため、パングラム作品だけ載せられないという実際的な問題があるのです。)
ということでこのページのパングラムは「蜜柑プラム氏」に触発されて作ってみました。詳しくはエッセイ編の「2」を読んでいただけるとわかるかと思います。
【パングラム1】
パングラム。
字余りやダブる事もNO。
全てを使え。
細き道に揺れ、技捻ろ。
「読めない?」
う……解せぬ。
【解説】
はんくらむ。
しあまりやたふることものお。
すへてをつかえ。
ほそきみちにゆれ、わさひねろ。
「よめない?」
う……けせぬ。
【パングラム2】
やむなく放置。ひいてはダブることも許可されぬゆえ、その懸念に術を、余り字見つめ、終わらせろ。
【解説】
やむなくほうち。ひいてはたふることもきよかされぬゆえ、そのけねんにすへを、あまりしみつめ、おわらせろ。
※蜜柑プラム氏 作。「何かになれない書きもの達・冬 」より。
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