・It's showtime!!
「さあ今宵は、摩訶不思議な世界へとあなたをご招待しましょう」
高層ビルの一室で行われたマジックショー。初めて訪れた私は、これから始まるワクワクで胸が膨らんでいた。
「手始めに、カードマジックから」
あっと驚く不思議な現象。一瞬の間では起こり得ない出来事。まさにそれは魔法のようで、目の前で起きているはずなのにどうしてもわからない。
ここへ訪れる前は、直に見ればトリックなんて簡単にわかると思っていたのに。
「さあお次は消失マジックです。この壁にご注目ください。これを一瞬にして目の前から消してご覧に入れましょう。では行きます。3⋯⋯2⋯⋯1!」
マジシャンが指を鳴らす。
その瞬間、眩い閃光が放たれ、次にはもう確かに壁は消えていた。
思わず観客の皆から感嘆の声が漏れる。
雄大な夜景が目の前に現れた。
拍手の雨が鳴り止まない。
本当にどうやったのだろうか。さっぱりわからないけれど、でもそんなのはどうでもよかった。
私はただただ目の前のイリュージョンに、魅了され続けていた。
【パングラム】
手品お披露目。
「壁を消すね」
「わあ!?」
いつの間にそこは消えた?
余裕散らせ探るも無理。
本当、見破れぬ。
【解説】
てしなおひろめ。
「かへをけすね」
「わあ!?」
いつのまに、そこはきえた?
よゆうちらせさくるもむり。
ほんと、みやふれぬ。




