・『PSYCHO-PASS』に捧ぐ。
人間のあらゆる心理状態や性格傾向の計測を可能とし、それを数値化する機能を持つ「シビュラシステム」が導入された西暦2112年の日本。人々はこの値を通称「PSYCHO-PASS」と呼び習わし、有害なストレスから解放された「理想的な人生」を送るため、その数値を指標として生きていた。
新任監視官として厚生省公安局刑事課一係に配属された常守朱は、初日から失態とも取られかねない異例の対処をしてしまう。もう1人の監視官から厳しい言葉を受けへこむ常守だが、部下の狡噛慎也に励まされて成長を重ねていく。
サイコパスのごく表層的なバロメーターは「色相」と呼ばれ、生体反応の計測値が色として視覚化されている。心理状態が健全だと澄んでいる色だが、ストレス過多や悲観的な思考によって悪化すると濁ってゆき、犯罪係数が悪化する。大衆の多くが、日常的なメンタルケアの指標としてこの色を気にしていた。
だが犯罪係数が上昇する状態にあっても、規定値を超える犯罪係数が計測されない体質を持った人間が世の中にはいた。彼らは「免罪体質者」と呼ばれ、シビュラの目をすり抜け平和を脅かす存在として、常守たちの前に立ち塞がる。常守たちは彼らを捕らえるため、日々、難事件を追ってゆく――。
【パングラム】
不安に染まればくすむ色。
常守、野暮な世話を経、
狡噛たちとシビュラの目抜ける敵押さえよ。
【解説】
ふあんにそまれはくすむいろ。
つねもり、やほなせわをへ、
こうかみたちとしひゆらのめぬけるてきおさえよ。