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僕らの世界はすべてが言葉で出来ている。  作者: 絢郷水沙
実験小説編

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202/226

・かつてここまで濁った文があっただろうか。

濁音の多さに注目してみてください!^ - ^

 ──午後五時五十五分。


 ジグザグな道路上にダボダボのズボンのババアがうずくまっていた。

 そこへギザギザ髪のデブなジジイが近づき、気分を尋ねた。


「水を」とババアが言うので、ジジイが水を上げると、ババアはガブガブと飲んだ。

 だがババアは「ブバァ!」と出して、ジジイに激怒した!


「泥水だ馬鹿!」


 ドジなジジイは土下座した。水は濁っていた。

 丈夫なババアは無事だったが、ゲボをゴボゴボと出した。

 激怒のババアはジジイにバトルを挑んだ。

 ジジイは拒んだ。が、ババアは駄々をこねた。


「愚図! ゴミ! ボロ雑巾!」


 グダグダと罵声を浴びせられたジジイは、嫌だが、バトルを受諾した。

 勝負はビリヤード。

 まずババアが棒でボールを打った。見事ボールはホールにゴール。


「どうだデブジジイ。アダジのガレイなボールの軌道は!」


 ババアの喉は潰れていた。

 自画自賛ババアに負けじと、ジジイは自分の技術全てをち込んだ!

 だが、ジジイの腕は雑魚だった。

 ガタガタの体は持病だらけ。ボールはどこにも入らず。


「雑魚が!」と暴言を吐くババア。


 自分の番の度に、ババアはバンバンとボールを入れた。


「我がはゴッドハンドだべ」とドヤ顔だ。


 だが、ジジイがまぐれで入れば、ババアは愚痴をぐちぐちと呟く。

 と、そこに美女が登場。ババアは訊ねた。


「誰だべ?!」


 美女は叫んだ。


「魔女よ!」


 魔女はジジイに「ビビデバビデブー」と呪文を放った。


 するとジジイはジャジャーンと変化へんげ

 瞬時にジジイは、ナイスガイに。

 勝負は続く。ジジイ──もといガイがジャブを出す。


 勝負は五分五分まで伸びる。


「いげぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!」


 ガイが叫ぶ。

 誰もが驚いた。大どんでん返し!

 ババアのベージュの肌はゾンビも仰天のドブ色へ激変した。ごぼうのように痩せぼそり、しぼんだババア。


「負げだ……」


 地べたに出べそを出し、ババアは夜空を眺めた──。

 てことで濁音をふんだんに盛り込んだ小説となりました。いかがでしたか? 実際に声に出してどれだけ濁音が多いか実感してほしいです。濁音率は何%でしょう?

 ちなみに、これとは真逆の、濁音を一切使わずに書いた小説「澄み渡れ音」もこの短編集に載せていますので、ぜひご覧になってください!

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