・永遠の闇夜。
朝が来ない。(「あ、さ、か、こ」ない。)
いつも通り陽は暮れて、夜はやってきた。ゆえに私は眠りにつく。しばらくして起床した時、私はその異変に気づいた。
真っ暗だ。
まだ夜だったのだろう。( はて? どうしたんだ? )
寝ぼけているだけだと、私は再び眠りにつく。
そうしてしばらく眠り続けて、それは気のせいではないのだと気づいた。
なにやら騒々しい。
車の音、人の話す時にでる音。耳に入ってくる街の音は、夜のそれではない。
どうしたのだ? まだ暗いのに。みんな夜に何をしているんだ?
――何も見えない。
( 電気をつけよう。見えなくてはどうしようもない。)
私はなにも見えぬ部屋で手を振る。やっと見つけた電気のスイッチを押す。押した。もう一度押した。それなのに――。
依然としてまだ部屋は暗い。暗い⋯⋯いや、暗すぎる!
「え? ちょっと待って⋯⋯うそ⋯⋯そんな⋯⋯!」
その時、やっと私は、真実に気づいた。そう――夜はとうに終わっていたのだと。
私は「め」を失っていた。
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( ※この作品は、読者の柴野いずみ氏と蜜柑プラム氏よりいただいたお題から作成しております。いただいたお題は、『「あさがこ」を使わないでリポグラムを作る』と『意味怖作品を作る』です。)




